短編小説みんなの答え:3

心を持ってはいけない私。ー生きて来てよかった。ー

「望月星羅です」 私はそれだけ言い、新しい自分の席へ向かう。 「おい、自分の趣味とか話したらみんなと仲良くなれるだろう?」 「無いです」 クラスがしん…とした。 そして数秒遅れて、一気に騒つき出した。 「なにあの子…愛想なさすぎ」「話しかけたくないね」「こんな転校生、なんで受け入れたのかしら」 ー好きなだけ言えばいい。私は、転校生ではないのだから。 その始まりは、私が小さかった時の事。 ー私には居場所が無かった。 私は昔から表情を表に出さない人で、気味悪がられ、家族に捨てられた。 施設に入らされたが、施設でも気味悪がられた。 私には居場所はない。そう思っていたら。 「望月星羅はお前だな?」 「はい」 「我々は政府公認の組織だ。これからお前にはスパイとなって我々に協力してもらう」 背の高い男性が来た。この時ですら、怖く無かった。 「目的は?」 「いい質問だな。最近は、イジメが多発している。イジメを受けた人は、とても苦しんで、 そして自殺してしまうこともある。なのにその一方で、イジメた側はなんとも思わない。 我々は、その他人の命を簡単に奪えようとする生徒を制裁するのが目的だ。 そして、お前はスパイとなり、学校に転校生として侵入してもらい、 その学校の様子を伝える。そしてイジメが発覚した瞬間、イジメた者を排除する。」 そう言って銃をこちらに構えて見せた。 「イジメのターゲットはお前だ。お前は心がない。」 「なんで知っているのですか?」 「我々は日本全国民の情報を記憶しているのだ」 「お前は心がない。平気だろう?そして、お前は居場所が無かった。 つまり、家族に捨てられ、施設でも気味悪がられ、イジメと同じだ。 お前がイジメられたら、今までイジメられていた生徒は楽になり、 お前にも居場所ができる。最高だろう?お前は可哀想な生徒を救うことができるのだ」 「“他人の命を簡単に奪えようとする”。貴方達も同じじゃないですか?」 「では協力しないのだな?ではお前の居場所はなくなる」 「や…ります」 「心を持ったり、任務に関係ないことをするとお前も排除だからな?」 ーそうして私はスパイとなり色々な学校に行って捜査をした。 それを証明するように、何人もの人が死んでいった。政府公認だから、ニュースで報じられる事は無かった。 今回も、きっとイジメられる。“心がないから平気”なのだから、 心を持たないようにしてきた。私は人間ではない。“ロボット”だ。 「星羅ちゃん、よろしくね!」 休み時間に話しかけてきた。 「読書してる。邪魔しないでもらえる?」 そう言うとみんな怪訝な顔をして帰ってゆく。 ずっとこうしてきた。これでいいの。これで…いいの? これって、私も…イジワルしてることになるわよね? 私…なんの目的で来たんだっけ… 「もちつきって言うんだ~俺綾人、よろしく~」 クラスの男子一人が話しかけてくれた。 「“もちづき”なんだけど」 「え!?モチヅキって読むんだ~」 「みんな分かるだろwお前もう中1だぞ?」 綾人の親友の春樹が話に加わってきた。 春樹は男女問わずモテモテだ。だから… 「ほんと~みんな分かるわよ~」 みんなが話に加わってきた。すると。 「ほんと、モチヅキさー、美人だし、本当は優しいんだし、話しかけてよかったー」 「えっ…」 「やっと望月って呼べたわね~星羅ちゃん驚いてるわ」 違う…こんなこと言われたの初めてだから… 鼻の奥がつん、とした。ぶわっ。 涙が溢れてきた。 「早速泣かすなよ~」 「あり、が、と…こんなこと言ってもらえたの…初めてで…」 しゃくり上げて上手く話せない中、ようやく言葉を告げられた。 「え。褒められたことないの?じゃあ俺がいっぱい褒めてやるよ」 胸が熱くなった。急に。今まで感じたことのない感情。 「なーんだ。星羅ちゃんめっちゃ優しそうじゃん!」 クラスのみんながそうやって言ってくれる。これも、綾人のおかげ… 「綾人さん…」 「綾人でいいよ」 「綾人…ありがとう」 「あの…さ。今日初対面で悪いんだけどさ…俺、星羅のこと好き。まぁ…一目惚れ…みたいな?」 「え…っ!?」 「急にごめんっでも…これが俺の気持ちだから。」 みんな騒いでる。 クラスの一人が言う。「星羅ちゃんはどうなの?」 「わ…私も」 クラスが一気に盛り上がる。 人を好きになる。してはいけないこと。 ずっと心を持たないようにしてきた。私はロボットだと思って来た。でも違った。 ちゃんと、人間だったんだ。生きて来て、良かった…でも私は任務に逆らってしまった。 バンッ…私の心臓に向かって。

みんなの答え

辛口の答え

※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!

この相談への回答は、まだありません。

0件を表示

他の相談も見る

ランキングページへ

相談に答える

相談の答えを書くときのルール

【「相談する」「相談に答える(回答する)」ときのルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
ニックネーム必須

※3〜20文字で入力してね

※フルネーム(名字・名前の両方)が書かれた投稿は紹介できません


せいべつ必須

ねんれい必須
さい

※投稿できるのは5〜19さいです


都道府県必須

アイコン必須

答えのタイトル必須

※30文字以内


じこしょうかい

※140文字以内

※自分の本当の名前、住所などの個人情報(こじんじょうほう)は書かないでね


ないよう必須

※500文字以内


辛口

※ないようがきびしいコメントの場合はチェックをつけてね!


ひみつのあいことばを設定してね

他の人にわからないように、自分しか知らないしつもんと答えを入力してね。

※ひみつのあいことばは忘れないようにしてください

※自分が選んだしつもんや答えが他の人に見えることはありません

ひみつのあいことば①必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

ひみつのあいことば②必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

※みんなで使うスマホ・パソコンではチェックしないでね

※毎日キズなんに来ていると、ずっと自動で入力されるよ。くわしくはコチラ