嫌いな奴
4月1日 学校が始まった。「行ってきます。」と言って家を出た。空を見上げると雲一つなかった。それから、何も考えずにスタスタと歩いた。 信号につくと僕の方に誰かが近づいてきた。竜二だ。「よぉ、陸斗元気か?」「見ればわかるだろ。」と、言って僕は横断歩道を渡り小走りでその場を去った。 学校につくと既に大勢の生徒たちがいた。先生にクラス分けの紙を配られた。僕は6年2組だった。竜二も一緒だった。しかも、女子の中で一番嫌いな牧野もいた。僕は目をこすりながら、6年2組に向かった。教室につくと10人以上の生徒がいた。その中には牧野もいた。僕は、先生に指定された席に座った。すると、牧野が近づいてきた。「ぼっちで可哀そうでちゅね」と言ってきた。僕は無視した。本当はパンチ3、4発ぐらいかましたかった。 1時間目が始まった。1時間目は始業式だ。全校生徒が体育館に集まった。20分ぐらいずっと立ったままだった。そして、やっと始業式が終わった。2時間目は新しい担任の先生の自己紹介だった。大体15分くらいで終わった。そのあとは、みんなでいろいろなことを話し た。だけど、僕はその話に参加しなかった。そして、2時間目が終わった。 3時間目が始まった。3時間目はクラスのみんなの自己紹介だ。一番最初は竜二だ。「荒田竜二です。好きなことは、.........特にないです。」その一言でみんなが笑った。先生も笑った。そして次々と順番が回っていき、僕の番になった。「白鳥陸斗です。好きなことは、サッカーです。」と僕は簡単に言った。そしたらクラスの女子に「他に言うことはないのかよ。」と言われてクラスの女子全員に笑われた。腹が立った。「うるせぇよ」言いたかったが、そのかわりに牧野をにらみつけた。 牧野の番だ。「牧野乃子です。好きなことは論破することです。」と言った。僕は前を向いていたが、後ろから牧野の視線を感じた。「なんなんだよあいつは。ムカつくな」 みんなが自己紹介をすませると、ちょうど3時間目の終わりのチャイムが鳴った。 そして、みんなで帰りのあいさつをした。 帰りのあいさつをすませると、僕はゆっくりと下駄箱に向かった。いろんな人に抜かされていく。その中には牧野もいた。抜かしたかったが、そんなことで張り合うのはダサイと思い僕はそのまま歩いた。 校門を出ると信号がもうすぐ青に切り替わろうとしてた。僕は走って信号に行こうとしたが牧野がいたから僕はスピードをゆるめ、歩いた。その時だった僕の横を猛スピードで車が通り過ぎたその車は信号の方で走ってた牧野が信号を渡ろうとしてる。 「牧野が危ない!」僕は走り出した。足が勝手に動き出す!止まらない!僕は横断歩道を渡り後ろから牧野を押した。牧野は前に転んだ。牧野がこちらを振り向いた。これが最後に見た人の顔だった。ドン!と音が鳴ったと同時に全身に痛みが走った。僕は倒れた。しばらくして救急車のサイレンの音が聞こえた。ガヤガヤといろんな人の声が聞こえる。その中には牧野の声も混ざってた。そして何かに運ばれて、室内らしき場所に連れてかれた。救急車だ。救急救命士の声が聞こえた。返事をしたかったがそんな気力はなかった。なぜ僕は牧野を助けたのだろう。と、思っているのにつれて考えることができなくなった。意識が薄れていく。牧野の泣き声が聞こえる。ずっと聞きたい。しかし、その願いもむなしく声が遠くなっていく。 ........................心臓が止まった。僕は死んだ。 友達を残して。