【微ホラー注意】自分の理想
「よしっ!準備完了ー!」 私は彼氏の斎藤くんのため、学校から 急いで帰り、夜ご飯の準備を終わらせた。 今日から彼と同棲生活をすることになっていて、今日の夜ご飯は彼の好物の 生姜焼きだった。 友達にメッセージも送った。 【生姜焼き出来たよっ!!】って。 そしたら、 【おー!凄いじゃん!】 【がんばれー!】って。返ってきた もっと、頑張ろうって思った! すると……… 「……ただいま……、」 ドアが開き、大好きな彼が 疲れたような表情をして帰ってきた。 「おかえり!ごはん!出来てるよっ!!」 私を見るなり青ざめ動かない。 「ど、どうしたの…?」 私は聞いた。 すると彼は怒ったような口調で 「どうしたのじゃないよ…!!どうやって家に入ったんだ!?」 と言った。 「な、何言ってるの斎藤くん…、今日から同棲生活だって……言った、じゃん…。」 私が言うと彼は、 「っ……またかよ…。もういいから、そういうの。疲れてるんだよ…」 「………」 私は何も言えなくなった。でも、 「き、今日はご飯作ったよ…!一緒に食べよ?」 「ご飯って…!人のキッチン勝手に漁ったのか?」 「何言ってるの?さっきから。いいから、食べようよ…。冷めちゃうよ?」 「……なにもないよ?」 「え?」 彼は青ざめた顔でこちらに話しかけてくる。 「…ご飯も何もないじゃないか!」 そう言って私の食卓と鍋を指さす。 「なにいってる―・・・」 「何言ってるのってお前がだろ?さっきから同棲生活とか、ご飯とか、何言ってるんだよ !!ずっと!!いい加減目覚まして現実を見ろよ!!」 彼は一息に言った。 「なんで…そんなこと…友達にメッセージだって……。」 「友達…?メッセージ…?それみせろ…!」 と言われたので見せると、 「なにが友達だよ。これ全部お前で送ってるだけじゃないか…。アカウントを複数作成して……。」 やめて… 「やめてよ…!そ、それは友達だもん…!!」 「自分がか?」 「…っ……」 「さっきから、お前自分の理想ばっかりじゃねぇか!お前のただの幻覚だろ…!?もう頭冷やした方がいいぞ…。」 ……………。 「さっきから…………。」 「!?」 「斎藤なんて、わたしのまえから消えれば…!」 私は灰皿を持ち上げ斎藤の頭目がけて 振り下ろした。 「消えちゃえっ…!!!!」 何度も叫んだ。 すると…… 誰かにを捕まれた。 「お姉さん…、ちょっといいかな。」 警察だ。 「斎藤……?」 眼の前で殴っていたはずの斎藤がいない…… ただの枕になっている。 「うそ………!私は斎藤くんと付き合って同棲生活してたのに……!」 鍋にも。さっきの食卓も メッセージの友達も。 全部1人。食器を2人分並べてあるだけで 生姜焼きなんて料理はどこにもなかった。 そして、 「……お姉さん。」 警察のおじいちゃんに言われ、 署に送られることになった。