舞鈴の存在。
僕は海浬。僕には幼い頃母と父が亡くなった。引き取られた里親には顔を殴られ蹴られているいわゆる虐待だ。学校ではいじめられ、家では家政婦や召使いのように扱い、担任や周りの大人に相談したって何も変わらない。もう周りの人間なんてもう信用したくないし信用しようと思ってもできなくなった。 そんな孤独に生きる生活はある人によって変わった。 「みなさん、転校生です。仲良くしてあげてください。それでは伊藤さん、自己紹介をお願いします」 「こんにちは。△◯小学校から転校してきました。伊藤舞鈴といいます。よろしくねっ!」 舞鈴は、すぐに注目を浴びるになった。 「ねぇ、舞鈴!舞鈴はなんで転校してきたの?」 「それはね、親が前の学校のままだと単身赴任になっちゃうからなの。親が大好きで離れたくなくて転校してきたんだっ!」 僕は舞鈴のことなんてちっとも何とも思わなかった。この頃はまた僕を苦しめるんじゃないかと思っていた。 ある日、僕は掃除を押し付けられた。 「ねぇ、ちょっとやめな!」 それは舞鈴だった。 舞鈴には何度も何度も助けられた。そしてその度に僕は舞鈴のことがもっともっと好意を寄せるようになった。 僕は舞鈴の誕生日、告白しようと決めた。とてもワクワクしていた。 その登校日、舞鈴はいなかった。 「先生、伊藤さんは欠席ですか?」 クラスのみんなが大泣きしていた。 「舞鈴さんは、今日、親の都合で転校する予定だった。そして今日は交通事故でなくなった。ただそれだけだ」 僕は信じれなかった。幻の何かを聞いているようだった。 「先生、そんなの信じられません!」 「それは信じれないよな。だっていきなり亡くなったんだぞ。何も言わずに」 僕は舞鈴の机の中に一枚の紙が入っていることに気づいた。 「海浬くんへ。 私は前の学校のいじめから逃げるためにココへ転校してきたの。 私は海浬くんが好きだった。 海浬くんと離れたくなんてなかった。転校なんてしたくなかった。 親ともめて結局前の学校に戻ることになったの。 でも孤独な生活はこれ以上続けたくなかった。 だから先生には交通事故でなくなったということにして私は自殺したの。 最後に一つだけ言いたいことがあるの。 海浬くん、愛してるよ。 空から永遠に見守ってるね。 好き。 伊藤舞鈴より」 END