命
中学二年生の軒波叶望(のきなみかのん)は、 両親たちと一緒にキャンプ場に来ていた。 叶望は、最近YouTubeに動画を投稿するのが趣味になった。 「今日は何を撮ろうかな~! パシャ 写真を確認する。 「よく撮れてる!」 「あれ?」 よく見ると、叶望の後ろに、うごめいて見えるおばあちゃんが写っていた。 (おばあちゃんなんていないはず・・・) はキャンプ場に私たち一組しか来ていないはずだ。 叶望はこのことを両親に話した。 「たしかに、それは不思議だねえ。」 「うーん・・・」 そのあと、叶望はスマホで調べてみた。 「幽霊!?」 そこには、「このキャンプ場のおばあちゃんの霊が出る」と書かれていた。 しかも、そのおばあちゃんは追いかけてきて、最後には行方不明になるらしい。 両親に話すと、 「幽霊なんているわけないじゃない。」 「もしいたら、YouTubeで撮ったらバズるかもよ!?」 なんて返事が返ってきた。 「やっぱり、幽霊なんていないよね。」 「でも、もしいたらスマホで撮ろう!幽霊が撮れたら、バズるしね!」 軽い気持ちでそう言った。 「一人でいない方がいい」 突然、知らない男の子に声をかけられた。 結構カッコいい。 「あの」 振り返ったころには、少年はいなくなっていた_。 少し後。 後ろに視線を感じ、私は振り向いた。 そこには、おばあちゃんがうごめいて追って来ていた。 「きゃっ!」 (でも、写真を撮らなきゃ、) おばあちゃんは、あと3メートルまで距離を近づけていた。 写真を撮るボタンを押そうとした、その時、 ガシッ! 不気味なおおばあちゃんに腕をつかまれた。 「きゃっ!」 そのまま、不気味なおばあちゃんに引きずられる。 おばあちゃんなのに、異常なほど力が強い。 「助けてっ!」 声は届かない。 深い森だ。 「だから言ったのに」 どこからか、少年の声が響いた。 さっき会った少年だ。 少年が来ると、不気味なおばあちゃんは姿を消した。 「あの幽霊は、キミが一人でいるときに襲う。だから一人でいるなと言ったのに。」 叶望の体は、引きずり回され傷だらけになっていた。 「あ、ありがとうございます・・・。」 地面にはひびの入ったスマホが落ちている。 「まったく。こんなもののために、命を落としそうになるなんて。」 叶望には、その言葉がとても重く感じた。