短編小説みんなの答え:8

亡き友を想い・・・・・・

私は、甘露実栗(あまつゆみくり)。 私の親友・愛沢実莉(あいざわみのり)は先月、帰らぬ人となった。その日、昼休みまではいつも通りだった。朝、実莉と登校して、授業を受け、屋上のベンチで昼食のお弁当を食べ・・・・・・。そして、この後、実莉は痛ましい悲劇に遭った。 実莉は、屋上から突き飛ばされた。私は、その瞬間を見てしまった。実莉が驚いた顔で、落ちていくのを──。実莉を突き落としたのは、同じクラスの泉琴莉(いずみことり)。 琴莉ちゃんは、可愛くて人気者の実莉を妬んでいた。だからって、あんな酷いことをしないでほしい。世界にたった一人の、私の親友を殺してしまうなんて──。 ある肌寒い日の朝、私は久しぶりに屋上に行ってみた。実莉が死んでしまってから、ずっとトラウマがあって、行けなかったのだ。 屋上の扉を開けると、あの頃と全く変わっていない景色が目に入った。 (実莉が生きてた時、よくこのベンチに座って恋バナをしたな。あっ、あそこにある落書きも、まだ残ってる。そして、あっちは・・・・・・。) 実莉が、琴莉ちゃんに突き飛ばされた所だ。 (考えると辛くなっちゃうから、考えないようにしよう。) 私は、ベンチに座って、空を見上げた。 (今日は、空が綺麗だなぁ。少し霧がかかってて、それもまたいい感じだと思う。) 「私達、ミルク色の世界にいるみたいだね。実莉。」 私は、隣に顔を向ける。けれども、そこには誰もいない。 (そうだ。実莉は、もうこの世にいないんだ──。) そう考えていたら、知らず知らずのうちに泣いていた。実莉のことを思い浮かべるだけで、目から透明な雫がこぼれ落ちていく。 髪に冷たい物が触れたと思ったら、雪が降り始めていた。しんしんと積もる雪。 (まるで、私の心の中みたい。この冷えていて切ない感じが、今の私の気持ちに似てる。) 私はそう思い、また涙を流した。

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