初恋の終わり方は儚い
私は、卯月萌愛(うづきもあ)。小学4年生の女の子。 私には、好きな人がいる。その相手は、1学年上の青葉柊(あおばしゅう)。青葉くんは、優しくて、笑顔がとっても素敵で、運動が得意で・・・・・・。青葉くんのいいところを挙げだしたらキリがないくらい。 だけど、私と青葉くんの関係は、ただの知り合い。仲が良いわけでもないし、共通点は何もない。青葉くんは、私から遠く離れた存在。いつも、サッカーをしている青葉くんを、ただ屋上から眺めているだけ。 (いつか、この恋が叶うといいなぁ。でも、そんな少女漫画みたいなことはないよね。) 9月、運動会直前のある日。私は、友達の雲母乙羽(きららおとは)からこんな噂を聞いた。 「小5の青葉柊は、同学年で同じクラスの望月透愛(もちづきとあ)が好き。」 これを聞いた時、私はショックで倒れそうになった。大好きな青葉くんに、好きな人がいたなんて──。 あれから早半年、季節は冬になり、数日後にバレンタインを迎える。 私は、乙羽ちゃんと一緒にチョコ作りの練習をしている。もちろん、それをあげる相手は青葉くん。 (あれからもう約半年が経ったし、もしかしたら、青葉くんの気持ちが変わってるっていうこともあるかもしれないからね。) まだ期待を残しつつ、私はチョコ作りに励む日々が続いた。 バレンタイン当日の放課後。私は、本命チョコを持ち、青葉くんの教室に向かった。 (青葉くん、いるかなぁ。あー、ヤバい。緊張してきた。) 深呼吸をして落ち着いてから、私は教室の戸を開けようとした。 「私、青葉くんが好きです。私の彼氏になってほしいです!」 これを言ったのは、望月さん。私ではない。 (私、先越されちゃった!?これって、大ピンチじゃない!?) 「僕も、透愛ちゃんが好き。僕の彼女になってください。」 私は、危うくチョコの入った箱を落としそうになった。 (私の恋は、これで終わり?失恋したということなの・・・・・・?) 私は、お互いを見つめ合い笑っている青葉くんと望月さんから視線を逸らし、その場から立ち去った。