最後くらいは、自由にさせて
『死にたいですか?』 そう聞かれたら、 私は、 『はい。』 と答える。 この世界は嫌い。 先祖が決めたルールに縛られて生きないといけない。 学校では望んでもいない行事を勝手に開催し、私達を巻き込む。 例えば、体育祭。 やりたくもないのに、競技に参加させられる。 学校以外にも、習い事はやりたくてやってるわけじゃない。 どうして私を縛るの? 「もうこの世界が嫌だ。 居なくなりたい。」 そう言ったら、 「死ぬな。」 とか 「命は大事だ。」 とか言われるだろう。 命のどこが大事なのか。なぜ生きるのか。 わからないんだ。 そもそも、これだけ縛っておいて、なぜ死を止める? 自最 ずっと縛られてきた。 由後 私が求めているのは、 にく 自由。一度はルールに縛られずに さら 時を過ごしたい。 せい ては でも、できない。 。、 だからこれだけは…最後くらいは 自由に! そう思って、彼女はショッピングモールの駐車場の屋上、 つまり4階から飛び降りた。 感じたのは 無重力。 そして硬い地面と重い重力。 周りからしたら速い出来事だったが、彼女の目ではスロー。 (やっ…と…死ねた…かな) そう思った直後、彼女は走馬灯をみた。 生まれた直後。上にはお母さんの顔が見える。 ぼやっとしているが、その顔は、嬉しそうで、 でも、泣いている。 (私が生まれて悲しかった?) (いや、嬉し涙!?) 5歳の誕生日。 目の前には大好きなショートケーキ。 そして欲しかった人形。 (嬉しかったな…) 小学生。望んでもいない勉強をしている。 態度がとても悪い。 先生は気にしながらも、大目に見ている。 (優しかったんだ、佐藤先生。) 本当に、死んで良かったかな。 本当に、縛られていたかな。 そこまで考えた後、彼女の思考は停止した。 (次は、次があるのなら、精一杯生きよう!) 『死にたいですか?』 『いいえ』 『命は大事だと思いますか?』 『それはまだ分かりません』 『なぜ、生きるのですか?』 『特に理由はないです』 これは、死から生まれ変わるまでの間、 彼女が考えていたことである。 特に理由もなく、命が大事だとも思わず、ただ生きていればいい。 縛られるのは嫌だけど、生きた方がいい。 それを彼女は知った。