二度と会うことのない、親友
いつも通りの声、いつも通りの空、いつも通りの教室。 特に変わったことはない、 普通の日。 転入生が来たというのが、いつもと違うところ。 「今日から一週間だけ、この学校に通うことになりました、仁田真桜です」 優しくて、落ち着いてて、可愛い子。 絶対この子と友達になりたいと思った。 彼女とは、同じスイミングスクールだった。 彼女は5級で、私も5級。 一緒に泳いだら、彼女の泳ぎの上手さに気付いて、 真桜さん――真桜ちゃんの完璧さに 驚いた。 桜色の頬に、ふわっとした顔立ち。 トレードマークのようなゆるい三つ編み。 とっても可愛くて、そして、あと一週間しか一緒にいられないことが 悲しかった。 そして、一週間がたった。 「みなさん、今までありがとうございました」 真桜ちゃんは涙目になっていた。 だけど私は号泣した。 真桜ちゃん、真桜ちゃん、真桜ちゃん!!!! 可愛くて優しい子の子が、もう一生遊んでくれないのだと思ったら、 いくらでも泣けた。 一週間でできた親友。 大好きだと何百回も思った親友。 私のあこがれだった親友。 真桜ちゃんの家まで泣きながらついていった。 真桜ちゃんは頑張って涙をこらえているようだった。 最後に見たのは、可愛い顔にできた、素敵な笑顔だった。 もう二度と会うことのない、親友。 だけど、一生の思い出で、 そして、一番大好きだ。