【幸せな日】
占いの画面を指で なぞる。今日の私の運勢は大吉。 だけどちっとも、いいことなんてない。 朝起きたら妹にプリンが食べられていた ことに気づいて、つい言ってしまった。 「あんたなんかいなかったらよかったのに」 だから今も部屋に引きこもり。 これからどうするかを、 占いを見て考えている ところだ。 「今日は人に言ったことが 行動や結果としていい方向に 現れるよ。 自分の望みを人に言ってみてね。」 と、書いてある。 私は勇気を出して、 部屋のドアを開けて妹に あやまった。 「私のほうこそ勝手にプリン食べちゃってごめん。」 妹もあやまって、私たちは仲直りした。 それから少しして、 妹と公園に遊びに行った。 そしてもう家に帰ろうと言う時。 「そろそろ帰ろっか。」 私がそう言って手を繋ごうとすると、 スッと手が消えたように、 私は妹の手に触れられなかった。 「あれ…?」 さっきまでいたはずなのに。 私はそこら中を探した。 草木の中も、近くの道路も、 公衆トイレも。でもどこにもいない。 今日はラッキーな日のはずなのに。 たちまち日はくれて、 私は一人、公園の真ん中に立っていた。 “あんたなんかいなかったらよかったのに” 突然、頭の中でそう聞こえたような気がした。 私が言った言葉だ。 嫌な予感がして、家に帰って お母さんに妹のことを聞いた。 するとお母さんは私を見つめて言った。 「あなたに、妹なんていないけど…。」