最期の約束
―私は市川美奈(いちかわみな)。中学2年生。 ―――――私は通り魔にあったそうだ。 いつもと同じ、陸上部からの帰り道だった。腹部に強烈な痛みを感じて、その場に倒れ込んだ。 必死に痛みと戦っていると、私の好きな人――櫻井来翔(さくらいらいと)が通りかかった。 「?!お前…どうした…?!」 「あはは…通り魔にあっちゃったみたい…うっ…」 「あははじゃねぇよ!!くそ…出血が…」 「ごめん……これもう無理かもしれない…」 「……無理って…………」 「あ…………そうだ…よかった、来翔がいて…最期だと思うし…思い切って言うね。実はね…私ずっと来翔のこと好きだったんだ。」 「……………え…………なんだよ…こんなときに………俺だって、好きだったのに、、、、」 「…ほんと?じゃあさ…もし私が生き延びたら…付き合って?」 「…当たり前だろ」 「やった…ありがとね…………ぁ……ちょっとまって…無理かも…」 その瞬間私は意識がなくなった。ただ、途切れる直前、こんな言葉が聞こえたような気がした。「美奈、愛してる。」 ――――――――3年後――――――――― 俺は来翔。高校2年生になった。 「ねえねえ、来翔って元カノとかいるの?」 同級生の明日奈が話しかける。 「元カノ………かぁ……まぁ、俺の中では彼女はいるよ」 「俺の中ではーー??なにそれー笑」 「その子3年前に通り魔にあっちゃってさ。丁度俺が通りかかったら、生き延びたら付き合ってって。そいつからしたら…付き合ってないと思うけど、俺の中では付き合ってると思ってる。」 「つまり……死んじゃったってこと…?」 俺は無言で顔を縦に振った。 俺はいつだって美奈の彼氏だ。