呪いの花
私は彼が大好きだった。 なんでこんなことしたんだろう。 仕方ないよね。 これが私と彼にとって一番の幸せなんだから。 「別れてほしい」なんて急に言われても困るよね。 私は理由も聞かずに「いいよ」って言ってしまったけど。 私は別に彼を嫌いになったわけではないし、大好きだったのに。 今考えると、呪いみたいな恋だった。 彼と別れた後も、ずっと彼のことを考えていて、 別れる前の夢をよく見る。 手を繋いで歩いて、夜中には家からちょっと遠めのコンビニに彼と2人で。 次の恋なんて考えられなかった。 彼を毒殺した日の夜。 私は警察にバレるんじゃないだとか そんなことは1つも考えず、彼の夢を見た。 一言も話さず、ただ彼が笑っているだけの夢。 目を覚ましてもよくわからなかった。 大好きな彼が死んで、 悲しくないはずがないのに涙が出ない。 どうしたらいいかわからず、枕に肌を押し付けた。 ストレスで荒れた肌が痛かった。 でも。悲しいけど。後悔はしない。 だって夢の中で彼は笑った。 そう。これが私と彼の最高の幸せなんだ。 家の窓から見える隣の空き地には、 なぜか黒いユリが咲いていた。 そうだ。 花言葉は、「呪い」。