なんでも屋。ーあなたの願いを叶えます。ー
「わ…私、人気な小説家になり…たいんです。」 「ははぁ。それでは叶えて差し上げましょう。」 私の名は、マリン。実はね、私は最近話題のなんでも願いを叶えてくれるなんでも屋を営む魔女なのよ。私は、生まれた時から、人の願いを聞くと、その願いを叶えさせてしまう力があるの。今日のお客様は誰かしら? ワンワン あら、私の飼い犬、大型犬のメロンが吠える。魔女なのに、犬って珍しいでしょ。うふ。今日のお客様は、原川あづささんね。じゃあ、開店準備をいたしましょう。 やっば!!もう締め切り??えー、どうしよう。編集者さんにまた怒られる!私、原川あづさ(30)は今慌てています。何故かって?今日は、私が書いてる小説の締め切りの日。編集者さんがくるのに…。どうしよう。私は、ただでさえ売れない小説家なのに…。バイトを何個掛け持ちしていることか…。ってぇー!!!バイトの時間じゃん。私は、慌てて着替え髪をセットし、鞄を持って家を出た。 「あれ、あづさちゃんバイト?頑張ってね。」 私が住むアパートの大家さんに声をかけられる。私はニコッと笑って、お辞儀をし、また走り出した。私の今日のバイトは、商店街の本屋さんだ。商店街に着くと、本屋さんを目指す。あれ?本屋さんじゃない…。私はいつも通り本屋さんに歩いたはずなのに、全く違うところに来ていた。あたりは薄暗く、前に綺麗な建物が一件あるだけだった。そして、2階に続く階段があり、なんでも屋と書かれた札が下がっている。恐る恐る私は階段を上り、ドアを開けた。 カラーン カラーン 「あら、お客様。いらっしゃいませ。」 そこには私より、もっと若そうな水色の髪をした綺麗な女性が立っていた。その横には大型犬の犬もいる。私が呆然としていると、 「ここは、何か強い願い事がある幸運のお客様だけが辿り着ける、なんでも屋。あなたの願いを叶えて差し上げましょう。」 と水色の髪の女の人は言った。私は、こんな怪しいところをすぐに出たかったが足がすくんで動かない。 「わ…私、人気な小説家になり…たいんです。」 と言った。 「ははぁ。それでは叶えて差し上げましょう。お代は500円。叶えたいのであれば、500円お支払いください。」 私は、財布を出し、500円出した。 「それでは。お帰りください。」 ええええええええ?これただのぼったくりじゃんか?え?本当に効き目あんの?私は、そのままゆっくり店を出た。 そのまま、路地裏に出たのでそこを抜けた。本屋さんに着くと、店長さんがいた。 「すみません。今日バイトなのに遅れました。」 と謝った。すると、 「原川さん何言ってんの?今日、小説書くんで休みだろ。」 と言われた。へ?どうなってるん?まあいいや。私は家に帰った。 ー1ヶ月後ー 「原川さん!!!!小説が…!!」 「サインください!!」 私は、見事に人気小説家となった。あの、魔女は本当だったんだ。 ふふ。あの方は幸せかしらね。でも、この小説、面白いわ。私がいなくても、幸せになれたのかもね。ふふふふ。 わんわん 今日ももう閉店時間?あらあら、もう皆様とお暇しなきゃいけないわ。それでは。また。そこの幸運の持ち主さん。いつか、この店にもいらしてくださいね。 コツコツ(ヒールの音) ワワワン!! それでは。なんでも屋。今日は閉店でございます。またのご来店お待ちしております。