愛菜と愛奈
私は、小林愛奈(こばやしあいな)。中学一年生。 同じクラスに、私と同じ名前の恋野愛菜(こいのあいな)という子がいる。しかし、名前は同じだが、性格は真逆。 愛菜ちゃんは、成績優秀、運動神経抜群、陽キャ、可愛い、クラスの人気者。絵に描いたような完璧超人だ。それに対し私は、バカ、運動音痴、陰キャ、ブス、クラスでは目立たない存在。愛菜ちゃんとの違いに、泣きそうになった。 ある日の朝。愛菜ちゃんは、登校してきてすぐの私に話しかけてきた。 「ねぇ、愛奈ちゃん。ちょっと話があるんだけど、いい?」 そう言って、愛菜ちゃんは、私を学校の裏庭へ連れて行った。 (愛菜ちゃんが私に話?なんだろう・・・・・・?) 「今朝、廊下にこれが落ちてたの。」 愛菜ちゃんが私に渡したのは、小さな紙きれ。中には、こんなことが書かれていた。 『あいなさんへ 僕は、あいなさんのことが好きです。 菊地優斗(きくちゆうと)より』 「これって・・・・・・ラブレター!?」 「そうなの。でも、ひらがなで”あいなさん”としか書かれてないから、どっちの”あいな”なのかわかんないんだ。」 菊地くんは、隣のクラスの男子。成績優秀で、運動神経抜群。そのうえ、イケメンだから、かなりモテている。地味系陰キャ女子の私も、密かに恋心をつのらせている。 「これ、普通に考えて、愛菜ちゃん宛てじゃない?私が、菊地くんに告白されるなんて、有り得ないよ。」 「そうかな?だけど、本人に聞いてみないとわかんないし、今日の放課後、菊地くんに聞いてみる?」 放課後。私と愛菜ちゃんは、隣のクラスに行った。そしたら、ちょうどタイミング良く、菊地くんだけが教室にいた。 「菊地くん。この手紙、どっちの”あいな”に宛てたものなの?」 開口一番に愛菜ちゃんが聞いた。そして、菊地くんは、顔を真っ赤にしてこう言った。 「あっ、えっと、その・・・・・・僕が好きなのは、小林さんの方です。謙虚で、控えめなとこが好きです。」 「私も、菊地くんが好き・・・・・・!こんな私で良ければ、付き合ってください。」 こうして、私と菊地くんは、結ばれたのであった。