世界の終わり
世界が終わればいいのにな。 世界が終わっちゃえば、もう苦しむことはない。 私・千帆は、そう思った。 千帆は、愛されずに育った。 いじめにあった。 病気になって、寝たきりの生活をすることになった。 いっそ、世界が終わればいいんじゃないか。 そう思うこともあった。 「千帆ちゃん、昼ごはんよ」 看護師の藤原さん。 施設で育ち、いじめられて、病気になり、病院で過ごすことになり、もう苦しくて。 上手に笑えない。 千帆って名前も嫌いだ。適当につけたんだろう。 世界が終わればいいのにな… そして、テレビを付けた。 《 明日午後7時頃、地球を破壊する巨大隕石がぶつかり、世界が終わるでしょう 》 え ほんとに 世界が終わるの? 願いじゃなかったの? 無性に涙が溢れてくる。 世界が終わればいいって思ってたのに、本心ではそうじゃなかったの? 世界、終わるんだ。 千帆は、やり残したことを考えた。 友だちを作ること。 お母さんを見つけること。 笑顔で終わること。 「さみしいよぉ…」 苦しいと、千帆は泣いた。 死にたくないと… ここ、どこ? 学校? 「千帆ちゃん!」 友達? 「千帆」 お母さん? ぽろぽろ流れる涙を止めることはできない。 「千帆ちゃーん、朝ごはんよ」 「藤原さん、きょうは世界が終わるんでしょ?」 「えぇ…そういわれてるわ」 もう、やり残したことはない。 夢の中で、友達も、お母さんとも、話ができた。 ○月○日 PM 7:12 地球は終りを迎えた。 『今までありがとう』