ある人形と女の子
私はマリア。ロボットだが、『人形』と言われている。 私は御主人様のジュリア様、そのお父様・お母様のレオ様、ソフィア様の命令を聞く、いわゆる『メイド』というものだ。 私はジュリア。私のお父様は有名な大企業の社長で、お母様は秘書だ。 私は一人っ子のお嬢様だが、5歳の誕生日にもらった、マリアがいるから大丈夫。 マリアはいつも私の話し相手になってくれるから、楽しいのだ。 マリアは12歳くらいの女の子の見た目をしている人形で、人間そっくりだ。 ある日。 「なぁジュリア。もう古いし、マリアは捨てないか?」 私はとても驚いた。 「何言ってるの⁉マリアは一生私の家族よ!捨てたりなんかさせない!」 「カランッ」 「...私を...捨てる?」 近くで掃除をしていたマリアは、箒を落とした。 「大丈夫よ!私が捨てさせないから!マリアとはずっと一緒に暮らすもん!」 数日後。 まだマリアを捨てるとは決まっていないが、とても心配だ。 今日はマリアと一緒に家の大きな庭で遊んだ。 すると、家の前を通った男性と女性が、 「...あれが噂の人形ね。古くて所々少し汚れているし、罅が入っているわ。全くちゃんと手入れはしているのかしら。」 「そうだな。本当に気味が悪いしな。」 と言った。 マリアとジュリアはその男性と女性を睨んだ。 マリアとジュリアが、マリアの悪口を聞き逃すはずがなかった。 一週間後。 「ダメだ。もうマリアを捨てよう。」 「そうですね。仕方がありません。上手にジュリアを説得して、新しい人形を買いましょう。」 お父様とお母様が話しているところを、ジュリアはこっそり聞いていた。 「マリア、お願いがあるの。私のお父様とお母様を......。」 「かしこまりました。すぐ実行します。」 「昨日午後10時頃。世界中で有名な大企業の社長と秘書の遺体が、自宅で発見されました。亡くなられたのはレオさんとその妻のソフィアさんで、複数のナイフで刺されており、病院へ搬送されましたが、死亡が確認されました。その犯人の行方は分かっておりません。また、レオさんとソフィアさんの娘、ジュリアさんが行方不明となっています。警察は、この事件の犯人を捜査しています。」 このニュースはすぐに世界中に広まり、今も尚、世界中で捜査が行われている。 噂によると、ある森の古い洋館では、 「楽しいね、ジュリア。」 「うん!二人きりだととっても楽しい!」 などという声が聞こえるらしい......。