短編小説みんなの答え:2

きっと、あえる

「俺、明後日転校するんだ」  桜の花びらが舞う4月。幼馴染の海斗から出てきた衝撃の言葉。  震える口元、つばをのみ込む音が、今だけはっきりと聞こえる。私は冷たい海斗の背中を見送ることしかできなかった。 「…な、飛那!」  友人の貴子によって、私は我に返った。 「あ、ごめん」  私は慌てて返事をする。 「飛那大丈夫?体調でも悪いの?」  貴子が心配してくれることに、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。  海斗が転校するってだけで、崩れそうになるなんて… 「じゃあこの問題を…飛那さんお願いします」  え…!?  やばい、先生の話聞いてなかった!貴子に助けを求めるも、わからないと言って首を振っていた。  どうしよう、!!  完全にパニック状態になった、そのとき、  トントン  誰かが私の肩を優しく叩いてくれている。 「え…?」  後ろを振り返れば、海斗がノートにおっきく答えを書いてくれていた。  ああ、ずるいなぁ、海斗は。私も思わず微笑んでしまった。  この時間がずっと続けばいいのに。私のわがままがどうしても頭に浮かんでしまう。  ついに転校の時が来た。  朝、いつものように下駄箱で声をかけてくれる。 「飛那、おはよう」 「お、おはよう」  貴子がにやにやしている。も~!と、心のなかで叫ぶ。すると、急に海斗の顔が暗くなった。そして、 「飛那、放課後一緒に帰ろう」  海斗の真剣な目に、私は頷くしかなかった。    放課後、私達は一緒に帰った。貴子はというと、「私も男子と帰るから」と言って、呑気に教室を立ち去っていった。  しばらく黙っていたが、海斗の方から口を動かした。 「俺、さみしい、大切な人と別れるなんて」  私も返す。 「私もさみしい、大切な人を失うなんて」 「やだなぁ、俺は死なないよ」  あはは…  私達はしばらく笑った。  でも、この真っ赤な夕日を、君と見るのももう最後。だから……  そうして、私達の分かれ道にたどり着いた。きっと海斗も私と同じ気持ちだ。  そう願って、私は涙をこらえて伝える。 「きっとまた、私達はあえるよね!」  海斗の目元も光っていた。 「きっとな!」 そうして、私達は誓う。 『また、会える日まで!』  きっと、いや、絶対あえる。

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