桜を見ると
「彼はもう長くはないでしょう」 医者がそう言った。私、名風小雪は息を呑んだ。 「長くないって…嘘…」 「私達医者も見た事のない物体が体内にいます。治療法が、分からないんです」 「…このことは、零は知っているんですか?」 「いえ、まずは彼女の小雪様に言うべきかと思いまして」 零の病室に行ってみると、ベットで寝ている零がいた。 「零が…いなくなったら…私…」 目から涙が止まらない。そんなことも考えたくもない。 「雪?どうした!?」 「あっ、起こしちゃった。ごめっ」 「なんで泣いてるの?」 「………零、もう長くないんだって」 「…そっか」 「なんでもっと驚かないの?」 「だってそんな気してたもん」 「そろそろ春が来るんだよ?それまで、居てね」 「あぁ」 それから零は病院にいて1ヶ月がたった。来週は桜の開花が予想されている日だ。 すると開花前日の夜、零の容態が急変したと病院から連絡があった。 「零!!」 急いで病室に行くと、苦しそうにしている零がいた。 「ごめん雪。夜遅くに」 「そんなこといいよ。大丈夫なの?」 「雪が来てくれたら、なぜか少し楽になったよ」 零はそのまま眠った。 一週間後 「ん…雪?」 「やっと起きた!心配したよ」 「ごめん。無駄に眠いんだ。この体」 「零。窓の外。見て」 窓の外には、桜が満開だった。霊が寝ている間に病院にある木が咲いたようだ。 「綺麗…」 「雪」 「何?」 「好きだ。死ぬ前にもう一度言おうと思って」 「…私も、好きだよ」 「よかった。絶対…忘れない…か…ら…」 「零?零!?」 そのまま零は、深い眠りについていった。 私も絶対忘れない。あの綺麗な桜と、大好きな彼とあの言葉を… 読んでくれて、ありがとうございます!!なつこです! もしよろしければ感想聞かせてもらえると嬉しいです!!