私のことが好きな君
今日は球技大会。私、石井七海はドッジボールのトーナメントに出場する。 実は私、球技が本当に無理で、一番できるドッジボールも本当は苦手。 逃げるのに精一杯だった。 だから、他の子への声援が止まない。 私は活躍しないし、当たり前だよね。そう思っていた。 必死に逃げていたけど、そろそろ体力がなくなってきた。ヤバい、当たる... そう思ったときーー 「石井さーん、がんばれー!」 誰かが私を応援してくれた。いや、誰かじゃない。私はこの声の持ち主がわかる。 私のことが好きだという噂を聞いた、三波くんだ。 思わずドキッとした。鼓動が速くなる。 私、三波くんのことなんて、好きじゃないのに。 なのに、俄然気合が入る。私は最後まで逃げ切った。 「七海のおかげで勝てたよ!」 クラスメートに言われて、とっても嬉しかった。 あの応援があったから。なんて、言えない。私はあの人のことなんてなんとも思っていないから。 でも、その日から君のことを意識し始めたのは言うまでもない。 ただの噂なのに... でもこれは恋じゃない。絶対に、恋じゃない。