2人の雨
私の親友は、雨が嫌いだ 彼女曰く、ジメジメして気分が下がるらしい 『私は結構雨好きだったんだけどなー』 親友が嫌いな雨が降りしきる中、私は傘をさしながら呟いた 「えー、だって雨って気分下がんない?わっかんないかなーこの気持ち」 『だってさ、あんたって馬鹿だから、よく傘忘れて笑いながら入ってきたじゃない』 「あー、あったねぇそんな事」 『あんたとの距離が近くなった気がして、私嬉しかったんだよね。言わなかったけどさ』 「言ってよー、相変わらず素直じゃないなぁ」 『あんたってお日様みたいな香りしたよね。雨なのにさ』 「やめてよ、恥ずかしい」 『あんたがいたから雨が好きだったんだよ』 『今はもう好きじゃないよ。』 隣を見ると、傘の中は、1人分のスペースが空いていた 気づけば私の頬には、雨みたいな雫が伝っていた 「ごめんね」 誰かが何かを言った気がして、私は振り返った 『気のせいか』 もう一度前を向いて、空を見上げると、まだまだ雨は止みそうにない 「あんたのおかげで、私が雨すきになったわ」 ふわり、お日様のような香りがした 私の知っている香りだ 「じゃ、またね」