天然少女と口裂け女
「ワタシ、キレイ……?」 学校の帰り道。 中学生の春菜は、夏だというのに真っ赤なコートを羽織った女性に声をかけられた。 「え………?」 突然の事で困惑するも、春菜は女性をよく観察する。顔の下半分はマスクをしているのでよく分からないが、切れ長の目に長いまつ毛。相当な美人だな、と思った。 「ワタシ、キレイ……?」 一向に返事をしない春菜に痺れを切らしたのか、女性は同じ質問を投げかける。 「はい!綺麗です!すっごく!!」 即答する春菜。 「じゃあ、これでも……?」 そう言い、女性はマスクを外した。 春菜は目を見開き絶句した。 女性の口は、耳まで裂けていた。 普通の人なら、悲鳴を上げながら逃げるだろうが、春菜は違った。 「わああああ!!大丈夫ですか!? 病院!病院!!」 血相を変えて女性――口裂け女に駆け寄る 「痛いですか!?痛いですよね!!大丈 夫です!近くに大きい病院あるん で!」 「え………え…?」 困惑しまくる口裂け女。 そのまま腕を掴み、病院まで引っ張っていく春菜。 その後 口裂け女は手術をし、裂けた口は針で縫ってあった。痛々しいが、それでもとてつもない美人になっていた。(色々突っ込みたいとは思うけど無視でお願いします) 「え……これ、ワタシ?」 鏡を見て呆然とする元口裂け女。 「わぁ……やっぱり凄く綺麗ですよ 口裂け女さん!!」 「……ありがとう。」 (ワタシを見て怖がらないなんて、 この娘……何者?) しかし、時の流れというものは恐ろしい。2ヶ月も経てば、二人は親友になっていた。 世にも奇妙な、人間と怪異の友情の物語である。