はやく、会いたいな──。
「はやく、会いたいな──。」 そんなわたしのつぶやきは、白い息に消された。 わたしがこんなひとりごとをいった理由は・・・・・・。 2023年10月4日。わたしはこの日の放課後、恋をしている朔斗(さくと)に告白された。朔斗とは、幼稚園のときからの幼なじみ。ものごころがつくころには、となりに朔斗がいた。小学校に入学するまえのときはまだ、友だちとしか思っていなかった。けれども、やさしい朔斗に、わたしはいつしか、恋心を抱くようになった。 『美琴(みこと)ちゃんのことが大好き。』 ずっと待っていたこの言葉を、朔斗が口にしたとき、わたしは泣いて喜んだ。なのに──。 朔斗は1ヶ月後、神奈川県に引っ越してしまった。理由は、親の転勤らしい。休日だけでもいいから、朔斗に会いたい。そう思っていたが、ここは岐阜県の田舎町。毎週末、岐阜から神奈川に行くのは、時間とお金がかかってしまう。 朔斗に会えなくなることになり、哀しみに暮れていたわたしを見て、朔斗はこういった。 「長期休みになったら、僕のほうから、ぜったい、会いに行くよ。だから、それまで、待ってて。」 そして、2023年11月14日。まだ、朔斗が引っ越してから、10日しか経っていないのに、わたしは、さみしさで、胸が押しつぶされそうになっている。朔斗は、長期休みになったら、会いに来てくれるそうだが、冬休みまで、まだ1ヶ月以上ある。 最初は、 「LINEつながってるし、いつでも連絡が取れるから、だいじょうぶ。」 と思っていたが、あまかった。朔斗と連絡が取れても、直接会えるわけではない。 (わたし、わかってなかった。彼氏がいなくなるさみしさが──。) 「はやく、会いたいな──。」