私の灯り
、、、はぁ、疲れた。 社会人3年目。 いい加減仕事にも慣れたけど、だからといって疲れない訳では無い。 毎日のように残業をしても、残業手当なんて出ない。休日出勤だって当たり前。 昨日は飲み会で上司に詰め寄られて疲労困憊だった。 今日も、いつの間にか日付が変わっていて終電を逃した。 履いているヒール靴が情けない音をたてている。 「断れないお前が悪い」「もっと頑張れ」とでも言われているみたいで、気付けば涙が溢れていた。 今夜は風が強い。スーツ1枚では少し肌寒かった。 なんかよくわかんない気持ちになってきて、道の端でうずくまる。 そのまま10分ぐらいぐずぐず泣いた。 だいぶ落ち着いてきて立ち上がると、目の前には川があった。 私、橋の上で泣いてたんだっけ。 人気の無い夜の街では、橋の上で号泣してるヤバイ奴に話しかける人なんているはずもない。 自嘲気味に笑って、ぼんやりと川を眺めた。 川は暗くて、濁っていて、端のほうにはごみが浮いている。 私の頭上にあるのは真っ黒い雲。 ああ、まるで私の心みたいに荒んでる。 月なんて見えるはずも無く、街灯の人工的な灯りが点々とあるだけ。 時折道を走り去る車の灯り。 建ち並ぶ住宅の窓から覗く灯り。 遠い遠い工場の微かな灯り。 本当にそれだけ。 何の変哲もない、薄汚れた街のはずなのに。 特別に見えるのなんでだろ。 綺麗に見えるのなんでだろ。 、、、ああ、そっか。 きっとこれが、私の光だ。 毎日を生きるあなたへ、ちょっとだけ特別な光(灯り)を。