きっとこの子は
私には愛犬がいた。トトという名前だった。 昔、寿命で亡くなってしまった。 甘えん坊で、愛嬌があった。 大好きだった。もちろん今も。 亡くなった時は、もう涙も出ないくらいショックを受けた。悲しかった。 そこから私の家族はペットロスになって、みんな落ち込んでいた。 3年前の雨の日、突然庭から、鳴き声が聞こえた。 か細い声で頑張って鳴いていた。 庭を見ると、やせ細った子猫がいた。 私はどうしようか戸惑って、咄嗟にケージに入れて保護した。 寒かっただろうに。こんな状態で鳴いていたと思うと、心が苦しくなった。 でも苦しかった分だけ私が幸せにしてあげよう。 私はなんとか、お母さんを説得することができ、その子を飼うことになった。 その子は茶トラだったから、フランス語で茶トラを意味する「le chat roux(ル シャ ルー)」からとって、「ルー」と名前をつけた。シンプルだけど、愛されるような名前。 ルーもだんだん家に慣れてきて、一緒に遊ぶこともできた。 でも、1つ気になることがあった。 ルーは猫だから寝る時間が多いのだが、寝転がる場所が、愛犬のトトの寝床と同じ場所だった。 思い返してみれば、突然家に迷い込んでくるのも不思議だった。 ルーは、猫にしては珍しく、活発で、甘えん坊で、トトに性格がそっくりだった。 運命だと感じた。 トトは犬だし、ルーは猫。 種類も違えば名前も違うけど きっとルーは、あの子の、 「トトの 生まれ変わり、だよね。」