燈
ある日、幼馴染が病気になった。 治す方法は見つからず、このままだと4ヶ月で亡くなると言われた。 7月…今年の夏には、もうー ー煇と出会ったのは、1年前の事だった。 * 高校生になったその年。隣の席は煇という人だった。 明るくて元気な性格で、俺とも仲良くしてくれた。 趣味なども似ていて、話題が尽きる事はない。 次第に秘密などを打ち明けるようになった。 今思えば、この時から、煇の事が好きだったのかもしれない。 時は過ぎー 修学旅行に行った。京都だ。 煇と班も同じになったので、ずっと煇と話していたのを憶えている。 …同じ班の人には、迷惑をかけてしまったと思う。 告白のチャンスだったが、俺にそんな勇気はなかった。 それからずっと、チャンスを逃していた。 * そして今。もう5月になった。あと、1ヶ月。 未だに「好き」ということを伝える事ができていない。 なのに、このまま終わってしまうのだろうか。 ー俺には、どうする事もできないんだろうか。 * そして迎えた6月。 医師ももう限界だろうと言っていた。 伝えるなら、今しかないんだ。 「煇」 煇は何?とだけ言った。 「ー俺、煇の事が、好きだ」 外には、激しい雨が降り注いでいた。 * 「あ!財布忘れた!」 「えー!じゃあ俺出すわ…」 「ごめん、後で返すね!」 「煇ってちょっとドジじゃない?」 「そんなことないよー」 「俺よりは絶対ドジ」 「んーちょっと酷くない?」 「ごめんごめん」 「もー、ごめんって思ってないでしょー!」 ーそれは、暑い夏の事だった。