【短編小説】私をもう一度愛して。
・岸葵依(きしあおい) ・高杉柚乃(たかすぎゆの) 「あ、いたいた!あおい~!!」 『あ、ゆの!帰ろ~』 あれは柚乃。小学生のときからずっと仲がよくて、中学3年生の今も毎日一緒に登下校してるんだ。 「ねぇ、あおいは英語の小テストの勉強した?結構難しいらしいけど」 『全くしてないよ、ゆのは勉強したの?』 「昨日塾だったからできてない~!こんなときでも悠馬くんは勉強してるんだろうな~」 悠馬くんは同じクラスの男子で、私から見てもイケメンだと思う。そしてサッカー部の部長をやっていて、何より頭が良くて、とにかくモテる。そんな悠馬くんのことが、柚乃は好きらしいのだ。 「あおいは、好きな人とかいないの?」 『う~ん、いないかな』 「恋すればいいのに、人生潤うよ~!」 『そのうちね~(笑)』 私は恋をしたことがない。恋をしてみたいとも思うけど、まだいいような気もする。 でも、最近は柚乃が恋バナをしていると、少しモヤモヤする。 お風呂に入った後、ベッドの上で、私は少し考えた。 そして、ある考えにたどり着いた。 『……私って、ゆののこと、すき?』 考えれば考えるほど、そうとしか思えない。私は複雑な想いを胸に抱え、眠りについた。 そして翌日。 いつも通り柚乃と一緒に学校に登校したけど、私はどこかうわの空で、いつものように話に集中できなかった。授業中も全然集中できなかった。 帰り道、柚乃と一緒に帰ろうとすると、柚乃は困ったような顔をして、 「ごめん、先帰ってて」 と言った。 『わかった』 そう言って、中学生になって初めて、1人で帰った。 翌日の朝、柚乃と会うと、柚乃は 「ねぇ聞いて!悠馬くんに告られちゃった、!」 と嬉しそうに言った。 「今日から悠馬くんと一緒に登下校するから、あおい、ごめんね!」 そう笑って、柚乃は悠馬くんの家のほうへと駆けていった。 私は、ポケットの、水仙の花が描かれた黄色のハンカチをぎゅっと握り締めて、立ち尽くした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー紅彩です(’-’*)♪ 短編小説、どうだったでしょうか? ちなみに、黄色の水仙の花言葉は「私をもう一度愛して」です! 感想・アドバイス・考察などお待ちしてます!