迷い子の祈り
しゅっ、とマッチを擦る音がした。5本ほどあるろうそくに、その温かい火が灯る。6個おいてある、ひびの入った小さな鏡に、醜い少女の姿が見えた。壁には小さい歪んだ十字架がかけられている。少女は十字架の前にひざまつき、指をぎゅっと組み、十字架を見つめた。すぅっと一筋の涙がこぼれた。静かな部屋の中で一人、灯りがゆらめき、少し開いた窓から昼下がりの爽やかな風が少女を包んだ。目を瞑ろうとすると、 がしゃん、と何かが落ちて割れる音がした。驚いた少女は、ろうそくを消すのも忘れ、何が落ちたのか見に行った。 水の入ったガラスのコップが落ちて、割れていた。机においてあったが、なにかの拍子に落ちてしまったのか。心臓が激しく鼓動するのを感じた。大丈夫よ。と自分を落ち着かせた。 彼女の名はエマという。茶髪の乱れた髪に、白い古いワンピース。両親はいない。決して幸せものだとは言えなかったが、少女は落ち着きさを払った、真面目な性格だった。彼女は街の小さな教会で働いていた。いつも神に心を向け、祈り続けていた。 エマは少し外に出てみることにした。外は風が心地よく吹き、晴天で気持ちが良かったが、自分の醜い姿を見せたくはなかったので、人気のない小路を歩いていた。 「こんにちは、お姉さん」 清々しい気持ちで歩いていると後ろから誰かが話しかけてきた。驚いて振り向くと、五歳ほどの赤毛の三編みをした、白いドレスをきた少女が立っていた。 「今日は本当にいい天気だね。でもなんか、お姉さんはなんだか寂しそうよ」 少女はくるっと身軽に回りながら言った。エマは自分の気持ちを当てられ、ちょっと怖くなったが、正直に 「そう、かもしれないわね」と言った。 「でもわたしはあなたがどんな人かは知っているわ。とても優しいいい人よ」 エマはその言葉を疑問に思い、「なぜそう言えるの」と聞き返した。 少女はほほえみながら答えた。 「だってあなた、いつもあの部屋で祈ってるわ」 少女はエマの小さな家を指さした。少女の目は明るく輝いていた。 少し驚いたものの、心があたたかくなる気がした。ひとりじゃない、誰かが見ていてくれているということに。 「私はエレナ。ちょっと一緒に歩かない?」 エレナは笑顔で言った。少し照れくさかったが、ふたりは一緒に歩いた。 静かに話しているうちに、お互いの不安に寄り添ったり、面白い話に笑い合ったり、心が通じ合う気がした。 エマは心が癒やされる感じがした。 その日以来、ふたりは仲を深め、語り合い、お互いの孤独や悲しみを分かち合い、新しい希望を見つけることができた。 そう、そのひとつの小さな行動で、あなたは変わることができる。 必要なのは自分を動かす原動力だけ