偶像
私はたった今、親友と喧嘩してきた。 その親友は私にとても優しくしてくれたし、ずっと私を見捨てたりしなかった。 じゃあなんで喧嘩したかって? そんなの簡単。 私がやってたのは単なる人形に対する偶像崇拝に過ぎなくて、相手を人間だと幻覚して勝手に親友みたいに接してたってことだったんだよね。 「優しかった」なんてそんなのあるわけなかったんだよ。 全部私の幻覚。 見捨てなかったって、そりゃあそうだよね 人じゃあるまいし、動けないんだもん。 でも、そこで簡単に戯れを止めるほど私は単純じゃなかった。 それこそもっと過激になってやろうじゃないかと思った。 毎日抱きしめて、写真撮って、大好きだよって何回も言ってやった。 当然親は君悪がり、人形だと思っていたヒトのお友達も何処かへ行った。 そこでようやく私は気づいた。 あぁ、私はこの親友まがいの手の上で踊らされていたんだな、と。 残るのは孤独。 私がそう気づいたとき、 親友は私に女神のような声で言った 「抱きしめて」と。