雨とピアノと歌声と
ーーー放課後の音楽室 私は奈美。ピアノを弾くことが好きだ。 放課後に毎回音楽室に行く。 ガラッ 来た、春樹だ。 春樹は男女ともに平等に接してくれて、いわゆる癒し系男子だ。 「奈美ー!ピアノ弾いてよ!」 前、私が放課後音楽室でピアノを弾いている時に、春樹が通りかかって、それ以来毎日音楽室に来ている。ずっと私のピアノを聞いていたいそうだ。 正直嫌じゃない。なぜなら春樹のことが好きだからだ。 今日もピアノを弾く。春樹はそれをじぃっと聞いている。 30分くらいたったころ、雨が降ってきた。 すると春樹が言った。 「雨の音って、綺麗だよね…。」 私は雨の音に合わせてピアノを弾いた。 今まで楽譜通りに弾いていたけれど、自由に弾くとすごく楽しい。 春樹が歌い始めた。上手いんだよね、歌。 雨が強くなって春樹の声が聞こえなくなってきた。 その時に聞こえた。「奈美、大好き」 私はピアノを止めた。バチバチっと雨の音が響く。 春樹を見るとニコニコ笑っていて顔を赤くしている。 「…聞こえちゃった?」 私も顔が熱い。 いつもはメトロノームの心臓の音が、大きくなって聞こえちゃいそうだ。 「春樹、大好き」 言ってしまった。春樹も私も顔を見合わせて笑っている。 いつのまにか、土砂降りの雨がやんできて、シトシトと優しい雨になっていた。そこには太陽の明るい光が差し込んでいた。