短編小説みんなの答え:0

ガラス越しの「おはよう」

 僕には好きな人がいる。幼馴染で、優しくて、ちょっと押しに弱い 優愛(ゆうあ)という女の子だ。そんな彼女のことが大好きだ。  優愛は、幼稚園の頃から入退院を繰り返していた。高校生になっても、 その病気?は治っていないみたいで、お見舞いに行っては日が暮れるまで 笑い合った。そして、二週間ほどで退院する。そしてまたお互いに忙しない 日常が始まる。入院をしている時は、放課後ずっと一緒にいれるから、 正直嬉しかった。ある日、優愛が入院したと連絡が入った。僕は次の日 病院にお見舞いへ行った。「よっ!」と勢いよく病室のドアを開けると、優愛 は寝ていた。そして、見慣れない大きな管が腕に繋がっていた。  その時は、特に何も思わなかった。「よかったら食べて。」というメモ書きと ともに、優愛の好きなシフォンケーキを置いておいた。  翌日。優愛の病室から、話し声がした。少し緊張してノックをしてからドアを 開けた。部屋には看護師がいて、どうやら何かをしているみたいだった。 「あらあら、彼氏さんかしら?」看護師さんが茶化すように言った。「そんなん じゃないです!!幼馴染です!!」優愛が照れながら言った。「そ、そうですよ」 僕も遅れて行った。「ふふ、そう?作業も終わったし、私はお暇するわね。」  優愛の腕には、昨日増えていた点滴と、もう一本、管が増えていた。 「、、大丈夫なの?」流石におかしいと思って、聞いてみた。「あーうん。多分。(笑) でも、1ヶ月くらい入院するかもだって。なんかー栄養素がどーたら…とか、あ、 っそうそう!シフォンケーキ美味しかったよ!ありがと。」自信がなさげだったから、 少し気になったけど、1ヶ月後には退院できると思って、僕はすっかり安心した。  3日後、僕は部活が忙しくて、2日ぶりに病院へ行った。病室のドアを開けようとした 瞬間、優愛の咳き込む声が聞こえて、僕は怖くなって。帰ってしまった。

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