会いたかったよ、また会えたね。
大親友の片岡春姫(かたおかはるひ)が亡くなってから7年が経つ。私と春姫と心穏(このん)で3人グループだった。私は、春姫のことをまだ引きずっている。だが、違う大学に進学した心穏と話すと少しだけ心が軽くなる。名前の通り、心を穏やかにしてくれる。心穏がいなければ私はすでに命を絶っていてもおかしくなかった。でも、私は大学を卒業し、幼稚園教諭として働いている。今年は、初めて年少組を担当することになった。入園式が終わり、教室に入ってからまだ緊張気味の園児の顔を見渡すと、なぜだかわからないけれど、白いリボンで髪を結んでいる女の子に目が止まった。そういえば春姫も白が好きだったなあ、と思い返した。その後、自己紹介の時間になら、子供の様子から個性を把握していった。そして、白いリボンの女の子の番になった。 「泉晴香(いずみはるか)です。好きな食べ物はりんごです」 そういえば、春姫もりんごが好きだった。名前も1字違いだ。そんな事を考えていると、 「先生?」 という次のこの不思議そうな声が聞こえて我に返り、 「小野莉央さん、どうぞ」 と慌てて先を促した。 次の日は土曜日、休日だった。その日は心穏とカフェで話す約束をしていた。 「幼稚園に春姫に似てる子がいるんだ?」 「たまたまなのかなー、名前も1字違いで」 「1人1人の写真あるんだったよね?」 「この子が泉晴香ちゃんだよ」 「たしかに、少し似てる感じはするね」 白いリボンでポニーテールにして笑っている写真だった。その笑顏にどこか春姫の面影を感じた。 「やっぱ気になるよね?」 心穏が間を取っていった。私が頷くと、心穏が「あ、今日は早めに帰んなきゃ。」といい、席を立って、軽く手を振って去っていった。 遊びの時間が増えてきた頃、晴香ちゃんはやたらと私に懐いていた。遊びに誘われるのはもちろん、自分の家まで拉致する気満々で手を握られたこともあった。鬱陶しいと思うこともあったが、あっという間に2年が過ぎ、卒園式が近づいてきた。 卒園式の前日、私は心穏と一緒に公園に来ていた。ベンチに座ると、近くに晴香ちゃんがいた。いつものように 「風花(ふうか)せんせー!」 と飛びついてくるかと思ったが、彼女はゆっくりと近づいてきて、 「私、入院してる夢を見たんだ。私がもっと大きくてベッドの横には先生とお友達がいてすごく嬉しくなったの」 と語りだした。私達は驚きつつも話を聞いたが、涙が止まらなくなってきた。晴香ちゃんの話が、春姫の最期と完全に一致していたからだ。話が終わると、今度は私達が春姫の話をすることにした。晴香ちゃんは真剣に話を聞いていた。すると、晴香ちゃんの目から涙がこぼれ落ち、私の名前を呼んだ。 「…風花…心穏…ごめ…ん」 そこにいたのは晴香ちゃんではなく、春姫だった。春姫はちゃんと生まれ変わって新しい一歩を踏み出していたんだ。 「春姫、会いたかったよ、また、会えたね…」 私達は、空が暗くなるまで話し続けた。 次の日、晴香ちゃんに話しかけると、前日のことは何も覚えていなかった。でも、私は春姫がまた幸せになろうとしているのがわかってとても嬉しかったし、春姫のおかげでまた前を向くことができた。そして、新しい世界に向かう春姫を笑顏で送り出した。 こんにちは!はるるです!短編小説に限らず初投稿です!文章がおかしくなっていたらすみません。読んでくれてありがとうございます!