月より綺麗な貴女と
僕は矢原蓮(やはられん) 僕には心を寄せている人がいる 近所に住んでる佐々木さん 通ってる学校は違うけど昔から仲はいい 僕と佐々木さんは1番仲が良いってはっきり言える だって佐々木さん、僕以外の人の前ではあまり笑わないから 今日は花火大会がある 佐々木さんと花火を見たい キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴ると同時にダッシュで佐々木さんの学校に向かった 学校に忍び込むと女子が数人体育館の裏でコソコソしてた その先をみると、佐々木さんと知らない人がいた 俺よりも背が高い、爽やかな人 「佐々木、今日二人で花火を見ないか?」 ジージージー 蝉の声しか聞こえなくなった ―蝉がうるさいから帰ろう 花火大会が始まって、神社に続く階段の途中で屋台と人を見下ろした 今年の花火がちっぽけに見えた かき氷も冷たいばかりで味がしない かき氷を食べたら帰ろう 二人に会う前に 階段を昇る人影が見えた …神様は本当にいるのかもしれない 「あ、矢原君ここにいた」 「佐々木さんどうして」 「あぁ、断ったんだ、矢原君がいたの見えてたしね」 佐々木さんが遠くを見つめて笑う 「なあ」 「なあに」 「今年は、花火なんかより月が綺麗に見えるな、欲しくなってしまう、でも手に届かない物だから綺麗なんだろうな」 そんな回りくどい言葉を言っておいて赤面する俺を見て佐々木さんが微笑む 「…今なら届きそうだよ?」 ―――! 「佐々木さん」 「なあに」 「僕と付き合って下さい」 「うん、よろしくね、矢原君」 ―ドーン あぁ、綺麗だな