【ドロドロな愛】砂糖と油と水
私、癒月(ゆづき) 私には恋人がいる 彼の名前は驚日(きょうひ) でも私たちはどうにも釣り合わない 何をやっても真逆で 何をやっても意見が食い違って でも別れないのはなぜだろう なんでこの真逆の彼といるのが 心地いいと思ってしまうのだろう 釣り合わないからこそ相性がいいのだろうか まだ私にはわからない ある日に買い物に出かけた 買い物先に私好みすぎる人がいた 低身長、可愛い顔、でもイケメン、犬系 レジの前の人で少し戸惑ってるのが見えた 「え?スマホどこ…忘れた?」 見た目の割に低く 声まで私好み 「あの、大丈夫ですか?」 気づいたら声をかけてた 「大丈夫って言いたいところだけど、大丈夫じゃないです」 私「一回、買うもの持って来てください」 「はい!」 その人の名前は 揺羽(ゆう)さん 私「えっとつまり、スマホを忘れたと」 「…ハイ」 なんてかわいらしいんだ 天然っぽい… 私「じゃあ、私これ払うんで」 放ってなんか置けない 「いや、流石に、悪い、です…」 カタコトすぎて可愛い 緊張してるんだろうな 気づいたらもう私は 彼に恋をしていた 彼にゆっくりと染まって 彼の中にゆっくり溶けていくように “水に砂糖が溶けるように” 私「大丈夫です!これだけなら全然」 「じゃあ、お言葉に甘えて…」 160もない身長で頑張って目を合わせようとみてくる 私は168と背が高い方なので 上目遣いのような感じで 心臓が撃ち抜かれた 私「じゃ、払って来ます。待っててください」 「ありがとうございます(ニコッ)」 あぁ、ダメだ この人の笑顔はなんて可愛くて かっこよくて 人を好きにさせるような笑顔なんだろう 反則すぎる ーーー 驚日「おいお前」 「なんですか?」 驚「俺の彼女に手ぇ出すんじゃねー」 「…は?」 驚「だぁかぁらぁ俺の彼女に手出すんじゃねーよ」 「テメェの彼女かは知らねーけどテメェの彼女なら ちゃんとそばで見ててやるのが彼氏の役目なんじゃねーの?」 驚「んだ、てんめ、やんのか」 「そうやってすぐ喧嘩腰になんのよくねーと思うけど?」 驚「お前いちいちうるせーな。俺とあいつはラブラブなんだよ。邪魔すんな」 「少なくとも癒月さんが幸せなら他の男が困ってても手差し伸べねぇよ てか、お前が買い物にも付き合ってやらねぇクズ男だからじゃねーの?」 驚「ッチ)うっせぇなぁ」 「お前と癒月さんは油と砂糖 いつも対極で、いつも真逆で 絶対に混ざりあわねぇからこんなことなんだよ 嫌だったらその性格から直しな」 驚「ふざけんな、てめぇ(殴ろうとする)」 「(拳キャッチ)そうやってすぐ手出すから嫌われんだよ? それもわからないようじゃお前が人と付き合うのは向いてねーよ」 ーーー 私「あ!揺羽さん!」 「癒月さん、本当にありがとうございます(ニコッ)」 心臓を何回も撃ち抜かれた 「じゃ、俺はこれで」 私「あっあの…」 この人とまた会いたいと思ってしまった 「?」 私「明日もここに来てくれませんか?」 「いいですよ!」 私「あと、タメ口でさん付けやめよ!揺羽くん」 「(ニコッ)うん、よろしくな。癒月」 ドキッドキッ 驚日といるより何倍も楽しい アイツとは別れよう 私「ごめんね、驚日。別れて」 驚「やっぱお前もお前だな、あんなクズ男に引っかかって」 私「は?」 驚「あの小せぇ茶髪が好みなのか?」 なんで揺羽くんのことを… 私「そうだけど?悪い?私はあの人が好きなの 私と驚日は砂糖と油、混ざり合わないようじゃ相性も悪いんだよ」 散々溜まっていたことを言ってサヨナラした そんなことより あの人と 会いたい 話したい 触れたい 触れ合いたい もうその気持ちは 付き合いたい 恋人関係になりたい に変わっていた 高身長で、シュッとした顔立ちだけど そこまでイケメンじゃなくて、猫系な 驚日より 低身長で、可愛い顔立ちで でもイケメンで、犬系な 彼の方が何倍もいい 彼の方がタイプだ 可愛くてかっこよくて 前までは驚日の方が好きだったのに なぜこんなにタイプが変わるのだろう 私の、 砂糖の種類が変わるように 前はグラニュー糖のように 癖のない甘みでよかった でももう物足りない 三温糖みたいに 甘さが強い方がいい もっと甘みが欲しい もっともっと甘みが欲しい 油なんかじゃ溶け込めない 水なんかじゃ溶け込めない もっともっと熱い愛が欲しい いつしか私は黒糖に 恋人はお湯のような私が溶け込める人に 物足りない… 黒糖じゃ物足りない もっともっと甘く愛して 物足りない… お湯じゃ物足りない もっともっと熱く愛して ねぇ、次の甘さは? ねぇ、次の熱さは?