短編小説みんなの答え:1

楽しみを求めて

「…。はぁ、この羊育てるゲーム、つまんなーい」 わたしは天童あまね。自分でいうのもなんだけど、なんていうの? 代々続いてるお金持ちっていうのかな、いわゆるお嬢様。 子供ながらに何でも買ってもらうから、飽き性な性格になってしまった。 これはある日のこと。 「おじいさま。これ、買っていただけますか?」 わたしは、お父様のお父様、つまりおじいさまに、大人気の化粧品をねだった。 「おぉ、いいぞ、大切にしなさいねぇ」 しわがれたやさしい声で話すおじいさまは、私にパソコンを買ってくれた。 そのころは、おじいさまは”お金”を出してくれてやさしいな、と思った。 半年後 わたしが学校に行っている間、お母さんからこんな電話がかかってきた。 『あまっねっ!お、おじ、おじいさまが…。』 「?どうしたのかしら」 『た、倒れてしまった、の…』 「おじいさまが!?だ、大丈夫なの?」 『それが、、、今はまだわからないけど。今から、○○病院に来てちょうだい。』 「わかった。」 …そういえば、おじいさまには物を買ってもらったことしかないな。 病院で わたしの目の前には、白の地に青いラインが入っている服を着たおじいさまがいた。 「おお、あまねか」 「はい、おじいさま」 「すっかり大人になったな」 「ありがとうございます。それで、大丈夫なんですか?」 いや、なぁ、とおじいさまは頭をかきながら答える。 「もう年になってしまった。これから、長くはないだろう」 え...。私は言葉をなくした。 おじいさまは、わたしのことを一番かわいがってくれた。 少なくとも、お父様よりは。 お父様は、女だからといってわたしを嫌った。女は後継ぎになれないんだ、と。 でも、そんなわたしをおじいさまはかわいがってくれた。 「こんなかわいいのに、なんでかわいがらないんだ」 わたしはおじいさまにあまえて過ごしていたんだ。 ところが、わたしは欲しいものがたくさんできた。 ゲーム機、パソコン、チョコレート…などなど。 でも、お散歩とか、一緒に遊んだことはない。 おじいさまには、買ってもらうことしかしていない。 もっと、遊んでおけばよかった。仲良くしておけばよかった。 どう、恩返ししたらいいのだろうか。

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