クラヤミさま
最近学校で話題の、クラヤミさま。 昔、ある神社に行った女の子が悪ふざけで柱に貼ってあったお札をちぎったらしい。 その子が帰ろうとすると来た道はなくなっていて、ただただ暗闇が続いていた。 そこからずっと、女の子は帰り道を探して暗闇をさまよっている… こんな話が何度も耳に入ってきた。あまり都市伝説は得意ではないが、登下校の道にその神社があるためさすがに気になる。気づけば私は薄暗い神社の鳥居をくぐっていた。 ひんやりした空気。耳の奥がぼわ、と揺れる。気味が悪い。 やっぱりダメだ。帰ろう。そうだ、今度は友達と来… バサッ 何かが落ちた音がする。突然すぎて心臓が跳ね上がる。音的にゴミ袋か何かだろうか。止まらない動悸。思わずよろけて、柱に手をつく。 ビリッ そんな音がしたかと思えば、空が黒く染まる。周りの景色も急速に色あせていき、漆黒の闇に溶けていった。 「なぁなぁ知ってる?」 「クラヤミさまのこと?」 「それはそうなんだけど…」 「じゃぁ何?」 「クラヤミさま、2人に増えたんだって」