父親心
俺はしがないサラリーマンだが嫁も子宝にも恵まれ日々幸せを感じていた。そんな幸せが壊れたのは半年前、娘のサナがすい臓がんになったころからだろう。その時に俺は壊れアルコール中毒になってしまった。なので嫁は愛想をつかし家を出て行った。。俺とサナをおいて。 今日はサナの入院している病院にお見舞いへ行った。医者の治療もむなしくサナの体調は悪くなる一方だった。実はサナは癌が見つかったタイミングで余命8か月と宣告を受けていた。最初こそずっと泣いていたサナは今はもうあきらめたのか大量の手紙を書いている。 「サナ、新しい便せん買ってきたぞ」 「ありがとう。書いた手紙は全部あそこの紙袋に入れてあるから私が死んだら全員に配ってね。」 「…きっとサナは良く」 「約束だよ」 俺の言葉もかき消してサナはそう言った。 「ああ。約束だ」 「ありがとうお父さん。大好き。」 それが娘の最後の言葉だった。 サナが亡くなってから1か月後、一区切りついてサナが生前残した手紙に手を付けた。サナと約束したんだ。絶対に全部配ってやる。 2か月後、サナが残した100通近くに上る手紙は残り2つになった。俺宛と俺の嫁宛。俺はたかをくくり始めて俺自身の手紙を開いた。 前半部分は俺への感謝と好きというメッセージが残されていた。この時点で俺の涙腺は崩壊し涙でサナの文字が滲んでいた。 お父さん。ごめんね。私のせいでお母さんがいなくなっちゃたんだもん。迷惑かけてごめんなさい。 後半部分にはそんな俺への謝罪のメッセージが綴られていた。サナが1番辛かったはずなのに俺の方こそごめんな。 良かったらお母さんと仲直りしてね。天国から応援してる。 素敵なお父さんの娘、サナより 最後はそんな風に締めくくられていた。俺は泣いた、泣いて泣いて泣きまくった。そこで決心した。 「絶対嫁に会いに行く」 そう決心してから9か月後。サナの命日に嫁に会えた。 「ようやく会う気になってくれたか。サヤカ」 「無駄話はいいから要件さっさと行って」 やっぱり俺はまだ嫁に酒癖の悪い最悪な夫として見られてるな。俺はサナの手紙を渡した。サヤカは震える手で手紙を読んでいたが徐々に涙がこぼれてきていた。 「サナ。本当に、私こそごめん。もう許してはくれないかもだけど。私はあなたの母でよかった。」 そういったサヤカは俺の胸に抱き着いて声をあげて泣いていた。 「あなたも見捨ててごめん。私、辛くて逃げた。本当にごめん。」 俺はいつまでもサナがいる青空を見つめていた。 END あとがき 今回は娘をなくした父親が主人公。ちなみに皆さん、サナちゃんはどれくらいの年の子に見えますか?私的には11歳くらいを想定していたけどだいぶ幼そうになっちゃった…皆さん、サナちゃんについてどう思ったかよかったら教えてねー。さて!読んでいただきありがとうございました。この話を読んでくれた人のもとに幸せが訪れますように。