海が綺麗ですね。(同性愛注意)
きれいな横顔。 思わず見とれてしまうほどだ。 「どーしたの?」 「せ、先輩!?」 話しかけてきたのはわたしのあこがれの先輩、彩月先輩だ。 憧れ…というか、好きなのかもしれない。 「あ、彩月せんぱい!わたし、課題の曲練習してきましたよ!」 わたしは吹奏楽部に入っている。 楽器は、フルートで、彩月先輩と同じ。 「海音ちゃん、上達したね!練習頑張ったの?」 「はい!!」 「あ、そういえば…今週末あいてる?」 彩月先輩が言う。 「あ、空いてます」 ちょうどこの日暇だったんだよね。 「じゃあさ、一緒に海の方のショッピングモールいかない? ちょっと買いたいものあってさ」 「え、いいんですか?!」 「うん。一人だとさみしいし」 やったぁ…先輩と出かけられる! ーーーー 「海音ちゃん、ごめん。待った?」 制服じゃない先輩も、可愛いな… 「全然!いま来たところです」 「なら、良かった。行きたい店あったら行ってね」 まずは雑貨屋に入った。 「このペン、可愛い!おそろいにしない?」 いや、彩月先輩のほうが可愛いです。 「良いんですか?」 わたしは尋ねる。 「いいよ!やったぁ、おそろいだ‐」 お会計を済ませて、お昼ご飯を食べに行く。 パンケーキをかじりながら、わたしは尋ねる。 「先輩、買いたい物って…?」 「あ、実はわたし、好きな人居るんだよね」 先輩の声がこだまする。 え…そうなの? 「そろそろ誕生日だから、プレゼント買おっかなって」 元からわたしじゃないのは、確かだ。 そんな。 ショックでその日のことは、何も頭に入ってこなかった。 「海音ちゃんありがと。楽しかったよ」 「こちらこそ、ありがとうございました」 「今日は…海が綺麗ですね」 あわよくば気づいてほしいな。 叶わないのは確かだ。 先輩の笑顔がキラキラと輝く。 先輩が笑ってくれたら、わたしはそれでいい。 ーーーー 数日後。 先輩のストーリーが流れ込んできた。 パンケーキの写真と、デート楽しかったという文字。 多分、部活の湊先輩だ。 湊先輩は、イケメンでたくさんファンが居る。 彩月先輩とまさにお似合いって感じ。 大好きだよ、先輩… たとえ、結ばれなくても。 「…あたしが…女の子なら良かったなぁ。」 積乱雲がやってきて、この辺一体を黒く染める。 静かな部屋の中、わたしの泣き声が響いていた―。