夏の恋。
夏休み。あなたと二人。 この幸せを噛みしめるように、私はあなたを見つめた________。 だけど、あなたは見つめ返してはくれない。ずっと、そっぽを向いている。 でも、私は知っている。あなたは、たまに私を見てくれていることを。 私がその視線に気づくと、そっぽをまた向いてしまうけれど。 その何気ない幸せが私の胸に流れ星を作って、きらきらと輝かせるの。 いつも、あなたは喋ってはくれない。私が一方的に話すだけ。 「今日も暑いね。」「大丈夫?」「掃除しようか?」 あなたはずっと上の空。でもいいの。私はこれで。 あなたがそばにいてくれる喜びで満たされて、夏の夜空に花火が咲いたように私の心を彩ってくれるから。 でも、あなたはずっとはいられないのよね。 あなたがそばにいてくれるのは夏だけ。 寂しいけれど、冬までいたら私はあなたを嫌いになっちゃうかもしれないから。 私って、一途だけれど、飽き性なのかしら。いいえ、違う。 あなたが風を送ってくれるからよね、きっと。 一年にたった一度の夏。 その期間でしか会えないあなたは私の夏に色を付ける、魔法の恋人。 例え、私を見つめ返してくれなくても。一緒に話ができなくても。 あなたがそばにいてくれるだけでいい。私が部屋にいる限り、あなたはそばにいてくれるもの。 私が足であなたを押しても、何も言わずに首を左右に振るだけ。 あなたは少しほほえみながら、首を静かに振る。 あなたがいるから夏は幸せ。でも、もうお別れね。 「ねえ、あなた。あなたは、私の魔法の恋人ね。とびっきりの夏にしてくれる。最高の、恋人。また、来年。」 付き合えないけれど。愛をもらえないけれど。 それでも私は恋をする。あなたを思い続けて、何度でも。 私は、そっと、あなた____________首振り扇風機のスイッチをガコンと押した。 _________ うみです!テーマは扇風機との恋です。 一年に一度の夏でしか会えない扇風機との淡い恋模様を書いてみました。 夏のおわりが近づいて、首振り扇風機をしまうことになった主人公が扇風機に向けて送った、夏の思い出。 また、扇風機の他にも夏らしいものを散りばめてみました! 最後まで読んで、もう一度読み直すのも面白いかもです~ 乾燥もらえたら嬉しいです!