死にたがりの君へ
美しい月が空に浮く9月の半ばだった。 中学3年生の夏、塾帰りで家路を急いでいた僕は急にのどが乾いて近くの小さな公園で水を飲むことにした。 1人だと思っていたからブランコの揺れる音がしたとき声をあげそうになったが振り返ると君はそこにいた。 年齢は同じくらいだろうか。気だるげそうな目をした女の子で頬に絆創膏がはられていた。 月明かりに照らされた君は儚くて触れれば壊れてしまいそうで、白い肌と長いまつげが印象的だった。 君の美しさに見とれてしまった僕を一瞥して少女は口を開いた。嫌悪もあらわに「何」と。 突然出会った美少女に「何」と聞かれて僕、天野凛音(あまのりおん)はあわてて 「あ、、いや、その、、」としどろもどろに「こんな時間に女の子が1人で大丈夫かな〜とおもって、、」 「、、、あんた、嘘くさいね」 風が僕と美少女の間を通り抜ける。 「え、、、、、?」僕の心臓がドクンとなった。 実際僕はいつも笑みをはりつけて自分を殺して生きている。 「よくそんな顔して生きてられるよね。、、私は今日も死にそびれたし。」 つぶやくように少女はそういった。 「は?」ぼくは突然の死ねなかった宣言に困惑した。この子は死にたいのか?疑問が頭の中をぐるぐるまわる。 「え、と、、、、、、君は、死にたい、のか?」 「私は桜川蘭(さくらがわらん)死にたい」 中学生で死にたいって言う子っているのか?いじめられているのだろうか。 すると君は僕の心を読んだかのように「いじめられてるわけじゃないよ。」 といった。「でも死にたい。この世界はつまらないと思わない?今このときも死ぬまでの暇つぶしにすぎないし。」 ぼくは人に同情されるほどのお人好しでこうゆう子はほっておけない性格だった。 ひかれるかなと思いながらぼくはおそるおそる 「じゃあ、またここで会いませんか?生きるのも悪くないって思わせるから」 君は一瞬きょとんとした顔をして少し笑った。 長い髪がさらりとゆれる。 「わかった、じゃあまた1週間後、同じ時間同じ場所で」 そういって君は去っていった。 これは僕と君の奇妙な交流が始まった日の話だ。 読んでくださってありがとうございます! はるぽてです! ありがとうございました!