おばあちゃんのピアノ
私は莉緒。 私には認知症のおばあちゃんがいる。 体も悪く、リウマチという病気になって、毎日寝たきり。 元気だった頃は、おばあちゃんはよくピアノを弾いていた。 私もおばあちゃんの真似をして、小さい頃からピアノを弾いていた。 おばあちゃんはバラードが大好きで、よく私に聴かせてくれた。 おばあちゃん、よくならないかな。 私は、毎日おばあちゃんに話しかけている。 おばあちゃんが何か思い出すんじゃないかと思って。 「おばあちゃん、私の事分かる?」 分かってもらえないけど、おばあちゃんはこう言う。 「分からないけれど、きっと私の大切な人なのね」って。 私はそれでも毎日、おばあちゃんに話しかけた。 しかし、よくはならなかった。 次の日、容体が急変し、みんなが慌て始めた。 私は、みんなが騒ぐ中静かにピアノ椅子に座った。 そして、おばあちゃんが好きだったバラードを弾き始めた。 (おばあちゃん、分かる…?) 弾き終わった時、おばあちゃんはとても安らかな笑みを浮かべていた。