ねえ
あの日から、私の大切な人はいなくなった。 病気で彼は亡くなった。 周りは泣いていた。 でも、私は泣かなかった。 「彼女なのにありえない」「ひどい」そんな声が聞こえてきた。 でも、気にしない。私が泣いてしまったら天国で彼も泣いてしまう。 だから、涙をこらえていた。 本当は、泣き叫びたいほど悲しかった。 でも、約束したんだ。 彼が死ぬ前、「泣くなよ。お前が泣いたら俺は天国に行けないから。」といったから。 だから泣かない。 彼のことが大切だから。 彼が安らかに眠ることができるようにする。 これが私から彼への精一杯の恩返し。 でも、こらえるのもこれで限界。 泣きたいよ。 ねえ、もう天国ついた? 泣くよ。私、今から泣くよ。 涙が止まらない。 彼との思い出がよみがえる。 ねえ、会いたい。 もう一度あなたに会いたい。 ねえ、聴こえてる? いつもみたいに返事してよ。