黒歴史ノート
そのノートからは何か危険な気配を感じる。何世代も前のプリキュアの絵で飾られたノート。これは、【黒歴史】の宝庫だ。 もうすぐお姉ちゃんと部屋を分けるため、私は今物を整理している途中だ。 断捨離中で見つけたこのノート。捨てるか捨てないかは中身を見ないとだが… 「えぇい!」 思い切ってノートを捲った。その瞬間、目にはおびただしい量の文字と下手な絵が映りこんだ。 サイコパスに憧れてたのか…自分は吸血鬼だと思ってたんか… 鳥肌が止まらない。鳥になりそう。死ぬ…ページをめくる度に体力が削られるような感覚に襲われた。 そんな中あるページが目に止まった。5年前に亡くなった母が描いた絵だ。元々画家志望だった母の絵は、取り込まれてしまいそうな魅力がある。 絵だということが忘れられるような美しい絵だ。リアルさも筆感も全てが魅力的だ。 そこからぼーっとしていると、いつの間に時間が過ぎていた。 ーいいや、このノートは捨てよ。 ゴミ袋の中にノートを放り投げた。さて、断捨離はじめよう。 すると、推しの絵が目に映った。吸血鬼のキャラだ。あの時から推してたっけ…そのお陰で友達もできたんだった。サイコパスキャラに憧れてた時は、人体について勉強したなぁ笑 何気ない事もノートの事に関連していた。恥ずかしさで火照っていた頬は、懐かしい気持ちでいっぱいになり、涙が伝った。 私は放り投げたノートをダンボールにしまった。恥ずかしさが完全に無くなる訳じゃないけど、なんとなく取っておいても良い気がしたのだ。 そんな事をしている内に空はオレンジ色になっていた。もうこんな時間だ。 私は前を向いて、またノートを開いた。