愛
(フィクションです・暇つぶしで書いたので、多少荒いところがあるかもしれません。お許し下さい。) ...毎年この日は気分が悪い。 今日は、2月14日、そう、バレンタインデーだ。それと同時に、2つ年下の妹、種李(しゅい)の命日だ。 種李は、12歳で、20歳になる前に亡くなった。死因は窒息死。自殺だったそうだ。種李は、学校で、いじめにあっていた。 いじめの辛さから、自殺したと思われている。種李は、教師になることが夢だった。小さい頃から、俺に学校ごっこをさせていた。先生役は、もちろん種李。俺は生徒。だが、いつからだっただろう。そんな種李を俺はうっとうしく感じていた。そう思ったことを、今も、後悔している。そして、ある日から、俺は種李を無視するようにした。理由は単純。口を利くと、学校ごっこをさせられるからだ。でも、種李は、母に、「沢魚(さお)兄ちゃんは?」とよく聞いていた。こんなに無視している俺を気にかける?相変わらずアホだ。そう思っていた。そして種李が、ちょうど小学3年生になった年、隣の空き地に、テイラー一家が来た。その家には、子供が一人いた。「ジョエン」と言っていた。 ジョエンは、お母さんが日本人、お父さんがアメリカ人の、ハーフの子だった。ジョエンは、次の日から、うちの通っている学校に来ることになった。しかも、種李と同じ学年、同じクラスになった。だが、その日から、種李はいじめにあい始めたそうだ。そして毎回、ジョエンが種李を守ってくれていたそうだ。だがそのジョエンの努力もむなしく、6年生までいじめは続いた。そしてとうとう、バレンタインデー当日に、種李は亡くなった。その日、ジョエンに会った。ジョエンのカバンの中には、可愛らしく包まれたハートの小包が入っていた。種李にわたすつもりだったのだ。「受け取ってほしかった」そうジョエンはつぶやいた。 そして、悲しみにくれていると、母がやってきた。その目には、涙がにじんでいた。すると母が、 「あなた達の名前について、教えてあげようか…?」 涙でこすれた声を聞き、俺はコクリと首をたてにふった。 「種李という名前は、中国の言葉で、「水」を表すの。そして、あなたの沢魚という名前は、「草・植物」という意味。草と水、どちらも支え合って生きている。あなた達も、草と水のように、支え合える存在だった。今も、あなた達を生んで、後悔は一度もしていないわ。生まれてきてくれて、ありがとう!」 そう言って母は、俺を抱きしめた。 心の中で、種李に話しかけた。 「愛してる」 《裏設定》 ジョエンは、中国語で「好き」という意味で、ジョエンが種李を思いやる気持ちを表しています。