365×3回分のありがとう。
「では卒業生代表として、3-2の内村琴さん!前に出てください」 「今日は私たちの卒業式です。天候も恵まれ、 私たちを祝福するような柔らかな春の日になりました。 今日、ここの高校で卒業できること、とても誇りに思っています。 この高校ではいろんな思い出ができました。 私は、2年の後半で火事により両親を亡くしました。今でも、あの時の光景が目に焼きつき離れません。私が、死んでいれば。あの時もっと早く逃げられれば_と何度思ったことでしょう。 ずっとそのことを思いながら学校にいました。でも、嘘の笑みで本当の心を隠していました。両親が死んでから1回も泣いたことがありませんでした。 ある日、ある人が私にこう言ってくれました。 『思いっきり泣いてもいいんだよ。スッキリしなくても泣かないと!』 その言葉に私は救われました。泣いてもいいんだ、ということに気づきました。 泣いて泣いて、思いっきり泣きました。 そのあとはいつもの笑顔が戻ってきました。 本当に感謝しています。 でもその人とももうお別れです… 湿っぽいのは嫌なので、最後に言います。 たくさんの友だち、先生方、そして 加美山先生! 365×3回分のありがとを送ります!」 パチパチパチパチ! 「卒業式を終了いたします」 卒業か… すると「内村」と、ふと、優しい声が聞こえた。 そこには、20代後半の加美山先生が立っていた。 「先生、今まで本当にありがとうございました。 あと、私は先生のことが_」