好きって
「す‥‥好きです!」 私――芹香(せりか)は、中学3年生。 そして今日は、中学生最後の日。 ‥‥つまり、今日は卒業式ってこと。 そんな今日、私は、好きな人の告白をした。 ちなみに、好きな人はクラスメイトの男の子だ。 「す‥‥好きです!」 私がそう言って頭を下げると、男の子は「あ‥‥ごめん」と言った。 「俺、さっき違う子に告白されて、彼女ができたばっかりなんだよね。だから、ごめん」 ‥‥え。 私は頭が混乱した。 でも「‥‥そっか。ありがとう」とだけ言って、その場から逃げた。 彼に、泣き顔だけは見られたくなかったから。 ☆彡 告白を終えて、友達にすがりついて泣きまくった私。 友達から「告白、頑張ったね」「また素敵な青春ができるよ!」と励ましてもらっていると、 「芹香、ちょっと話があるんだけど」 男の子から呼ばれた。 彼は、祐也(ゆうや)だ。私の幼馴染。 私は、なぜか屋上に連れられた。 「好きだ。付き合ってください」 屋上について間もなく、祐也から告白をされた。 「‥‥え」 私は、かすれた声を出す。 まさか、祐也から好かれていただなんて‥‥。 「ご、ごめん」 私は、とっさにそう言った。 「私、実はさっき、好きな人に告白して、フラれたばっかりなんだよね。だから、まだYESもNOも言えないかな‥‥少し、考えてもいい?」 私がそう言うと、祐也はこう返事をした。 「大丈夫。お前をさっきフった男よりも、芹香のことを大切にするから」 そして、ニコッと笑ってきた。 その仕草に、私は思わず「あのっ‥‥」と言った。 「やっぱり今、返事するね。わ、私も‥‥祐也と、付き合いたい!」 フラれて、苦しくなって、涙で目が赤くなって、それでも何度も泣いてしまう。 そんな私を、祐也が救ってくれる――そんな気がした。