未知の扉を開けて
僕は、相良大和(さがらやまと)。 僕は小学6年生のときに、都内にある虹ヶ丘学園中学校に中学受験をした。難関私大の付属中学校の受験だから、学力がごく平均並みの僕にとってはすごく大変だった。だから、受験に合格したと知ったときは喜びというよりも、驚きの方が大きかった。 受験が終わってからの2か月はあっという間に過ぎていき、僕は中学生になった。今日は、中学校の入学式。学校に着いた人から、玄関で自分のクラスなどを確認してから教室に入るらしい。 教室に入ると、もう既に何人かのクラスメイトがいた。とはいえ、みんなまだ緊張しているからなのか、一言も喋らずに自分の席についているだけだ。そんなかたく気まずい空気が流れている中、僕のとなりの席の子が来て、話しかけてきた。 「私、小豆沢芽果(あずさわめいか)。あなたは?」 「小豆沢芽果」と聞いた瞬間、僕は思わずとなりの席の子に目を向けた。小豆沢芽果は、1歳のときから芸能活動をしていて、今、どの世代からも大人気のモデルと子役だ。そんな彼女が僕のクラスメイトで、となりの席──!? 「僕は、相良大和(さがらやまと)。よろしく……。」 「うん、よろしくね。」 そう言いながら僕に微笑みかけてくれた彼女が半年後、僕の恋人になることなんて、この当時の僕は考えもしていなかった──。