雪と天使とさよならと
「さよなら」 君はいつもそう言った。天使のような君が。 帰りの時、いつも「さよなら」って言う。哀しい瞳をして。 だから、いつも私は「さよならじゃなくて、またねって言ってよ!」 と言う。 君はそれを聞くと、「またね。」 と言い直す。 冬。今日もまた君は「さよなら」と言った。 だから私は「またねって言って!」と言う。 いつもは言い直すのに、今日は違う。 哀しそうな瞳をして、「ごめんね」 そう言って帰っていった。 私は、何も言えなかったし、何もできなかった。 嫌な予感がした。とても、なんだか、消えてしまいそう。 雪が降ってきた。積もることなく、溶けていった。 君の家に駆け出した。 気づいたけど、信じたくなかった。 君を失いたくないよ。 一心不乱に、駆けていった。 そして、君の家に向かって無我夢中に叫んだ。 「ねえ!!」 でも、返事は無いんだ。 だから、勝手に入った。不法侵入とか、今更考えてられないよ。 入るとそこには、冷たくなった君。雪みたいに、真っ白だった。吊るされている姿は、天使のモビールみたい。 「ねえ、またねって、言ってよ…」 「…」 「さよならなんて…言わないで…!貴方を、失いたくない…、貴方と、まだ一緒にいたい…!」 「…」 「ねえ…!ねえ!!…喋って…」 「……ごめんね。」 そう聞こえてきた気がした。 だけど、もう君はいない。 馬鹿だね。本当。 私は言いたくなかったけど、言わなきゃならない。 「………さよなら」