短編小説みんなの答え:1

君は真夏の空の如し

「凪沙、、、」俺は亡き恋人の名を呼んだ。俺の恋人、凪沙は俺の幼馴染で中1から高1まで付き合っていた。今は26歳。だけど、今からちょうど十年前、「一生一緒にいよう」という約束を俺は自らの手で破ってしまった。十年前の高1の真夏、俺と凪沙は近くの砂浜で遊んでいた。その日の凪沙は可愛い水着を着て髪をお団子ヘアにしてとても気合が入っていた。だけど、それに興奮した俺は凪沙に「とびきりの魚を捕まえてきてやる」と言い、無謀にも海に飛び込んだのだ。海に飛び込んでしばらくすると一際大きい波が俺に覆いかぶさってきて身体を沈められ、パニックになった俺は溺れてしまったのだ。泳げない訳じゃないのに、同仕様もなく足掻いていると突然、凪沙が俺を助けようと海に飛び込んだのだ。「漣!漣!」遠ゆく意識の中で聞こえた俺の名を呼ぶ凪沙の必死な声が今でも離れない。凪沙は海底に沈みつつある俺の身体を必死に引き上げ、俺を陸に上げたところ、大量の海水を飲んだ凪沙は溺れてしまい、そこで意識がなくなってしまったという。俺は近くの大人の迅速な心肺蘇生によってすぐに意識を取り戻したけど凪沙は駄目だった。救急車に乗せられても凪沙の顔色はろうのように青白く血の気がなかった。救急車の中で俺が必死に名前を呼んでいると凪沙は一瞬だけ意識を取り戻した。俺は手を強く握る。「凪沙、凪沙、ごめん。お願いだから死なないで」焦点の合わない目で凪沙は俺の顔を見ると一瞬微笑んで「漣。良かった。生きてね」と声にならない声で囁くと息を引き取った。俺が凪沙を一番大切な人を死なせてしまった。だけど、こんな俺のままじゃ凪沙画怒る。悲しむ。だから、俺はこの十年間、凪沙の分まで必死に生きてきたんだ。今日が十回目の命日。俺は凪沙の墓に手を合わせると供花を捧げ、「凪沙、ありがとう。ごめん。大好きだよ」と囁いた。俺は立ち上がり、空を見上げる。雲一つ無い空だ。まるで凪沙の強気で優しすぎる性格を表してるみたいに。俺は美しい空に背中を預け、墓をあとにした。

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