失恋からの新しい出会い
「あの、早野先輩。放課後空いていたら校門前に来てください!」 私、夜里 紗愛(より さな)は、前から大好きだった早野 佐久間(はやの さくま)先輩に、とうとう告白しようと思った。 早野先輩は私より2つ年上で、運動神経抜群、成績優秀のみんなの憧れだった。女子からすごくモテモテで、毎日いろんな学年の可愛い女子たちに囲まれていて、早野先輩はとても素敵な笑顔を向けていた。私もその笑顔に心を打たれて告白することにした。 正直いって、自分には自身がなかったけれど、もうすぐ卒業してしまう早野先輩にどうしても自分の気持を伝えたかった。 しかし、放課後になって、校門の前で待っていたけど、いくら待っても来なかった。 (きっと、早野先輩は何かどうしようもない用事があったんだよ。きっとそうに違いない。) そう自分に言い聞かせて、私は夕暮れ時の空の下を家へ向かって歩いた。 翌日の昼休み、弁当を食べに行こうと中庭へつながる廊下を歩いていた時、「で、早野!昨日女子に告白の予定を入れられていたけど、どうしたんだよ」と聞こえて、思わずその場に足を止めた。そうすると早野先輩の声がした。「ああ、あの眼鏡ちゃんのこと?まっさかバカみたいに校門の前で待ってあげるわけ無いじゃんww、裏口からこっそり帰ったよ(*^^*)」 (えっ、今の聞き間違い?だって、あの早野先輩がそんなことするわけ無いよ・・・。だって周りにいた女子たちにとても優しかったよ?) でも、あることに気がついた。 (いや、周りにいたのは可愛い女の子ばっかりで、普通の子はいなかった・・・。つまり、早野先輩が優しくしていたのは・・・) 私はあまりにも悲しくて、廊下を駆け出した。そして、人通りの少ない、暗い階段のはじに座って、邪魔な眼鏡を外してシクシクと泣いた。 その時、視界に白い物体・・・ハンカチが映り込んだ。驚いて眼の前を見ると、誰かが立っていた。眼鏡を外していたたことと、涙のせいで視界がぼんやりし、誰だか分からないため、そのハンカチを受け取ろうかどうか少し迷ってしまった。 「これでふけよ。」とハンカチを渡される。少し低く、ぶっきらぼうな声に、その前に立っていたこが同じクラスの氷室 星夜(ひむろ せいや)だということが分かった。とりあえず涙を渡されたハンカチで拭き取り、「ありがとう。」と返した。 「いや、別に当たり前のことをしただけだ。それと次の時間は音楽だから早く食べたほうがいいと思うけど」と、私の横に置いといた弁当箱を指差す。「そうだった、ありがとう・・・あれ?なんで私が氷室くんと同じクラスっていうこと分かったの?眼鏡外していたのに」 「そりゃ夜里さんて可愛いし・・・あっ」氷室くんは言ってしまったというふうに焦りだす。でも私は窓から入ってきた強い風のせいで、最後の方になんて言ったかが聞き取れなかった。「ごめん氷室くん、今なんて言った?」そう言うと「べっ別になんでもいいだろ!?」とそっぽを向いてしまう。その横顔は、かすかに赤く染まっているように見えた。