小さな友情~始まりはひとつのシーグラス~
私の名前は月夜 未逗紀(つきよ みずき)!弟が病気でこの病院に入院してるんだけど最近気になる子がいるの。 一人でよく屋上の花畑にいる子なんだけど...毎回のように最近いるの。 (話してみたい...) そう思ったからには体は待ってくれない。 ミズキ:あの! ?:?こんにちは ミズキ:あっ、こんにちは!最近よくここにいるよね? ?:そうなの!最近また入院し始めたから病院で楽しめるところ探してここを見つけたの!あっ、これあげるよ! ミズキ:?破片? リオナ:今度詳しく話してあげる!私、リオナ! ミズキ:私はミズキ! リオナはシーグラスがお気に入りらしい。持病持ちで最近また入院し始めたんだって。体はもう、少ししか持たないらしい。見た目は元気そうなのに。 ○o。. 次の日行くとリオナはいなかった。不思議に思った私は受付の人に聞いてみた。すると、リオナは家族と海に行ったそう。 急に寂しくなってしまった。せっかくだし弟にあの子のことを聞いてみよう。 ○o。. ミズキ:ねぇ、そうた?リオナって言う、よく屋上にいる女の子知ってる? そうた:うん知ってるよ?話したこともあるよ?お姉ちゃんと同い年で海が好きなんだって! 弟は私が知らない情報まで知っていた。 ○o。. 今日こそはと踏み込んだ屋上、そこにリオナの姿は...あった。 ミズキ:リオナ!やっほー! リオナ:あ!ミズキちゃん! ミズキ:呼び捨てでいいよ?そっちの方が親しみやすいし! リオナ:そっか!わかった!ミズキ! ミズキ:昨日、海行ったんだって? リオナ:!そうなの!でね、ミズキにね、お土産! ミズキ:え!? キラッ ミズキ:....キレー...これ...前... リオナ:そう!シーグラスって言ってね、ビンの破片なの!中にはおっきいのもあってね... そこからリオナはシーグラスの話を夕方近くまで話していた。私はその時間は全く苦痛じゃなかった。むしろ楽しかった。「また、持ってくるね!」そう言ったリオナの笑顔は忘れられなかった。その日から毎日と言うほどリオナに会いに行った。病室も教えてもらったので屋上にいない日は病室にも行った。こんな日がずっと続けばいいのに...と思っていた。 ○o。. 天気が大荒れの日、事態は急変した。リオナが屋上にも病室にも現れなくなったのだ。看護師さんなどいろんな人に聞いたが、誰も教えてはくれなかった。 ○o。. とぼとぼ一人で病院の出口へ向かう。そのとき... (あっ、見たことある顔だ...) そう、リオナのお母さんだった。 ミズキ:あの、リオナのお母さまですか? 母:はい...リオナのことをご存知で? ミズキ:はい。あの、リオナって今どこに... 母:緊急治療室にいますよ。リオナ、もう数日でいなくなるのよ ミズキ:...え? 私はリオナのお母さんにお願いして緊急治療室に行くことにした。 ○o。. ピッピッピッピッ ミズキ:リオナ? リオナ:...ミズキ... ミズキ:リオナ、うち、リオナのために最期まで全力尽くすよ! リオナ:...くだらないなぁ。 ミズキ:え... リオナ:なに?私のためって。こんなあと数日で死ぬような人間に全力を尽くす?笑えるね。尽くしたって結局死ぬ運命には変わりないじゃない。やるだけ無駄だよ。 ミズキ:そんなこと... リオナ:ないって?帰ってよ。こんな死に際の人間と一緒にいたら時間だけが過ぎてくよ。 ミズキ:...分かった。″ばいばい″、リオナ。 ○o。. その夜、リオナは天へと旅立ってしまった。私は後悔した。あのときあの場でリオナを説得できるような発言ができていれば、と...。 ○o。. 次の日、リオナの病室に行った。今目の前にいるのは泣いているリオナの家族と...冷たくなったリオナだけだ。 ミズキ:リオナ... そうポツリと呟いた。 母:ミズキちゃん、これ、あの日リオナが書いた手紙よ。 渡されたのは優しいタッチで書かれたリオナからの手紙だった。 ○o。. ミズキへ あのときはキツいことを言ってしまってごめんなさい。この手紙を読んでる頃には私はもういないね。だからこの手紙で伝えたい。ミズキ、毎日のように会いに来てくれてありがとう。ミズキが話しかけてくれたあの日からつまらなかった私の病院生活が変わりました。毎日会えるのを楽しみにして、私を見つけてくれたときのあの笑顔が大好きです。私が長々したシーグラスの話も飽きずに聞いてくれた。そんなミズキが大好きです。新しいコレクションにしてください。私のお気に入りのシーグラスです。本当にありがとう。 リオナより ○o。. 入っていたシーグラスは今までもらった中で一番輝いていた。 ○o。. ミズキの目からシーグラスのように輝いた一粒の雫が溢れ落ちた。